あなたにチョコレート。
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例えば、
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そう言って笑う彼女に『開けて良いか?』と聞いて早速、一つ取り出してパクりと食べた。
「……本当だ。甘くない。と言うか、旨いぞ。これ」
「へぇー室長、一つ下さいよー」
脇から手を出す如月をペシッと叩き、子供のようにチョコを隠す。
「あ? やだね。俺のが無くなるだろう。自分の開けろ」
「室長の程、ビターじゃないけどみんなのもラムボールだよ。あ、小野瀬さんのはトリュフだけど」
「チョコでも甘くないのがあるんだな。……ほろ苦さとラム酒バランスが良い。チビ助、旨い!」
「旨いと思ってくれなきゃ困りますよ。室長仕様にする為に、配合考えて何度か作り直したんですから」
そうオレが言うと、室長は嬉しそうな顔になり『そうか、俺仕様か。ありがとうな。ホワイトデー楽しみにしとけ』と、笑った。
「因みに、一柳さんのはどんなの? もちろん、もらったんですよねー?」
「ん、もらったぞ。知りてーか? 如月。オレのはスコーンだ。なまえ手作りのフランボワーズ&ショコラのコンフィチュールと、クロテッドクリームをつけて食べるんだ。旨かったぞ」
「え? フラン……? コンなんたらって?」
「あ? なんたらじゃねーよ。フランボワーズ&ショコラのコンフィチュール!」
「そのおしゃれそうなんは、なんやの? どんな食べ物?」
「フランス語だよ。フランボワーズはラズベリー、木苺。ショコラはチョコレート。コンフィチュールはジャム……つまり、木苺とチョコレートのジャムって事」
「小笠原は良く知ってるな。それならきっとパンに塗るだけでも旨いんじゃないか? チビが、料理をそこそこやるのは知ってたが、お菓子作りもやるんだな。すごいじゃないか」
明智さんが感心すると彼女があたふたと焦りながら言う。
「違う、違う。お菓子作りはやった事が無くて全くの初心者。ネットで調べて見よう見まねなの。簡単なのばっかだし……」
「ハハハ……相変わらずチビ助は、バカ正直ね」
「だけど、コンフィチュールもスコーンもすごく旨かったぞ。愛情がいっぱい詰まってる感じがしたしな」
「そ、りゃ……心は込めて作ってるけど」
照れくさいのか、頬を染め俯く彼女を見て藤守が、少しだけ羨ましそうに言う。
「ええなぁ。慣れない事も一生懸命やってくれる彼女かぁ……。心の込もった手作り……。ああ、俺も欲しいわ」
「藤守さんのだってちゃんと心込めて作ったよ」
「ありがとう。後で大事に味わうわ」
「うん、気に入ると良いけど」
「でも、君はほんま天然やね」
「ん??」
「欲しいちゅーんわ、お前みたいな彼女が欲しいちゅー事や。どうや? 賢ちゃん所来ぃへんか?」
「へぇ?」
「大事に、優しぃしてやるで? もちろん、浮気もせーへん。どうや?」
「ど、どうやって、言われても……。僕には昴がいるし……あ! そっか、からかってるんでしょ? ヤダなーもー」
「天然の勝ち」
小笠原が淡々と言うと『はぁー』とため息をつく藤守。
オレは、きょとんとしている彼女を引き寄せた。
「バーカ、誰がやるか。なまえは、オレのだ。他、探せ」
(ったく、油断も隙もねー。こういうバレンタインだの、ホワイトデーだのは、いつも以上に危なくてしょーがねーな……)と思う。
「なまえ、配り終わったら帰るぞ」
すると如月が『今日はデートに行かないのか?』と聞いて来るので『まだ、他にもチョコレートを配りに行くんだ。終わったら、今夜は家でマッタリ過ごす』と答え挨拶をして、早々に引き上げる。