あなたにチョコレート。
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例えば、
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誰よりも先に甘いバレンタインを過ごした朝、彼女はまだ眠そうだ。少しほわーんとした顔で、朝飯を食べカフェオレを飲んでいる。
「今夜も二人で過ごそうな?」
「え? ……うん」
赤くなり、頷く彼女に『楽しみにしてる』と頬に口づける。
「……昴って、タフだよね。ちっとも眠そうじゃない」
「お前から沢山パワーもらって充電したからな」
「パワー……ラブパワー?」
「ん、そう。今日、バレンタインだからな。逆チョコで誘惑して来る奴らからお前を守らねーとなんねー。お前は、オレのだから、かっさらわれないようにしないと危ねーからな」
「それは、僕の台詞。……心配だな」
彼女の顔が曇り、ため息が出る。
「バーカ、お前のしかもらわねーって言ったろ? オレを信じなさい」
「ん、……信じる」
彼女の頭を撫で、仕事に向かう。
● ○ ● ○
案の定、今年もオレ達は追いかけられ捲り、その都度お断りする。仕事の合間に、そんな事を繰り返して、なんとか定時を迎えた。
細野と太田を連れて小野瀬さんがやって来た。
ラボに行こうとしてるのを室長が止めて『下手にうろちょろすると逆チョコ連中に捕まる』と、内線で来てくれるように頼んだのだ。
昨日、作ったラムボール──酒がダメな小野瀬さんのはトリュフにした──をみんなに渡して行く彼女。
如月がラッピングをほどき早速開けて、中を覗き見て大喜びした。
「やったー! 今年はチビの手作りだー」
「ほんまや! 嬉しいわ」
「ありがとう。君が作ったの?」
そう問いかける小笠原に
「うん。昴に教えてもらいながら……と言うか手伝ってもらった」
「お前、オレの事は黙ってたら分からねーのに。ふふ……」
「えー。食べたら分かるよ。それにそんなのウソついてもしょーがないもん」
『チビらしい』と皆が笑う。
「はい、いつもありがとうございます! 明智さんと翼ちゃんのはお酒入りだけど、少し甘めにしたよ。でもくるみのはミルクたっぷりでうさぎさんチョコ」
「ありがとう。翼やくるみにまで悪いな」
「いいえー」
彼女がラボの細野達の前に行き渡すと細野が少し照れながら受け取り彼女に聞く。
「うわー。俺達まで、良いのかな?」
「はい、良んですよ。細野さん、太田さん。いつもありがとうございます」
「手作りなんて感激です! なまえちゃん、ありがとうございますっ」
太田が感激して彼女の手を握りぶんぶんしながらお礼を言う。
ちょっとムッとしたが、本当に感激してるようなので我慢した。
「小野瀬さん、いつもありがとうございます」
「もしかして……これ、お酒入り?」
「小野瀬さんのは、お酒は入ってませんから大丈夫ですよ」
「そっか、おチビちゃんありがとう」
「いいえ」
「はい、室長、いつもありがとうございます」
満面の笑みで渡すが、心なしかおずおずと受け取る室長に彼女はクスクスと笑い言った。
「ヤダなー。大丈夫ですよー? 僕、お父さんの好み位、知ってるもん。ちゃんとビターな大人味にしたよ。きっと、お父さんも美味しく食べられるはず。騙されたと思って受け取って下さい」
「甘く、ないのか?」
「うん、ビターでラム酒たっぷり。お父さん向け」
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