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入園した途端に、なまえがキョロキョロとし始め

「ここ、知ってる！」と言って急に走り出した。

慌てて、みんなで追い掛けると

例のキャラクターショップの前でショップを見ながらボーッと立っていた。

穂積：ちょっといきなり、心配するじゃないの！

なまえ：………。「お父さん、ありがとう！これあったかい。ふわふわだよ」って言って…。「気に入ったか？」それで…、「うん。とっても！スゴい嬉しい！僕ね、これ大事にする！」………これ、ここでお父さんが買ってくれた？

穂積：え？

なまえ：ねぇ？あってる？お父さん！

穂積：あ、ああ…思い出したのか？

なまえ：何か…分かんないけど映画みたいに頭にダーッて浮かんで来た。

びっくりする穂積さんをじーっと見つめた後で、彼女が抱き付いた。

なまえ：…………。(むぎゅっ)お父さん！

穂積：わっ！

なまえ：……ありがとう！僕、お父さん大好き！……

穂積：お、おい、チビ助…ど、どうしたんだよ？

なまえ：あ、ご、ごめんなさい！(パッと離し)…何かそういう気持ちでいっぱいになって………気が付いたら…あれ？何だったんだろ…あれ？

穂積：……(ギュッ)

なまえ：え？

穂積：……良いよ、考えるな。チビ助が思い出せねえのはお父さんが覚えて置くから…すまん、ちょっとだけで良いから……このままで居させてくれ……っ。

なまえ：うん…。

穂積さんは彼女を抱きしめ暫く肩に顔を埋めてた。微かに穂積さんの身体が震えていて、彼女はとても穏やかな優しい顔で、黙っていたわるようにその背中を撫でてた。

その光景は男女の抱擁というより、もっと別な何か…あったかいものを感じ、不思議とヤキモチを妬く気は起こらなかった。

ただなんとなく…

嗚呼、彼女の中のおチビななまえと会えたんだな…良かった……。

と、そう思いながら二人を見守った。

それは、多分、オレだけじゃなくみんなが思っていたと思う。

二人を見守るみんなは、すごく優しい顔をしていたから。


その日彼女は幾つかぽつぽつと出来事を思い出した。

そして、帰りに

なまえ：あー二倍楽しかった！得したー♪今度はジンベイザメ見に行こうね！ね？お父さん！

と言って元気に笑った──。


チビ助と泪お父さん。
End.



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