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「ん、良いと思う。お前らしい発想だな。結構、考えたろ?」「うん、毎年かなり悩むよ。ちなみに昴のも、もう決めてある。でもちょっと自信無くてくまさんにレッスン頼もうかなと思ってたの」「じゃあオレが──」「えーやだ。ダーリンのなのに本人に教われないよ。頑張って作ってみる」 彼女がちょっと目を伏せてからオレをチラリと見る。「……あのさ、もし上手く行かなかったらがっかりする? ってか、怒る?」「フッ。バーカ。怒るワケねーだろ。あのさ、カカオマス使うの初めてだろ? 今年はみんなの友チョコから作るか、な?」 カカオマスの扱いが分からねーのかとあたりをつけてそう言ってみると彼女がちょっとホッとした顔になり『お願いします』と頭を下げた。どうやら読みはあたったらしい。「早速だけど分からないのがあるの。ネットで見つけたレシピで[オーガニックミューズリー]って何?」「ああ、オーガニックミューズリーってのはシリアルだ。食物繊維とミネラルが豊富なんだよな。どれ、レシピ見せてみな」 渡されたレシピに目を通す。「カカオマスに砂糖不使用のオーガニックミューズリー、カカオパウダー、デーツ……フンフン、なるほどね。これならそんなに難しくねーと思うぞ」 レシピも決まり、今年もバレンタイン準備が始まった。 ● ○ ● ○「よし。ラッピングも出来たな。はぁー今年も大量生産だったな。当日は土曜日か。うち、今ヤマもねーし、久々に休めるな。当日、配るのか?」「んー前でも良いかな?」「大丈夫だろ」「でも、明日の夜は忙しい。本命チョコ作りたいもん。今夜はもう遅いし……当日しかないや」 ちょっと困った顔をする彼女。「仕方ねーな。オレが明日、郵便屋さんになってやるよ。じゃ、先に前金分だけでもご褒美を貰おうかなー」 彼女を腕の中に抱きしめる。『ありがとう』と笑顔になった。(この笑顔を見られるならお安い御用だ)「そうだ。お前、明日応援だっけ?」「ん、街頭で白バイ隊の制服着てチョコレート配りだよ」「交通安全の呼び掛けキャンペーンねー。今年はお前にチョコ貰う野郎が沢山いるのか……おもしろくねーな」「ふふ……僕のチョコじゃないよ。仕事じゃん。それにアイドルだか、タレントだかの、女の子達も来るんだって。みんなそっちに貰いたいんじゃない?」「そうか? オレならお前から貰うけどなー」「えへへ……それ、好き好きフィルターかかっちゃってるよ」 笑う彼女が可愛い。「いや。ぜってーお前から貰う奴、大勢いるって。つーかさ。室長も何で受けちゃうかなぁ。そんな依頼」「しょーがないよ。うちは【すぐやる課】【雑用室】の何でもやる捜査室だもんね。ふふ……そんな顔しないの。僕の本命チョコは昴の一つだけだよ」「じゃあさー我慢しなきゃなんないオレを慰めてくれよ。な?」 返事の代わりに彼女が背伸びをしてキスをくれる。オレは、彼女を抱き上げベッドへと足を向けた。
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