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小野瀬さんが、それに気付き言った。「穂積、男言葉になってるよ。まあ、この面子なら問題ないと思うけど事情を知らない堀江さんは戸惑うと思うけど?」「丞一郎。つまり、おネエはフリなんだ」「フリ、か?」「ええ。昴の言う通り。俺は事情があって職場では、おかまのフリをしてます。けど、中身はノーマルなんで気を抜くと地が出ます」「ああ。そう言う訳ですか。しかし、それも大変ですねぇ」 そこから始まって室長と丞一郎は二人で話し始めた。案外、気が合うようだ。 彼女が身動ぎした後でむくっと起きた。ふらりと立ち上がる。「トイレ?」 頷くが酔いのせいか、寝坊てるのか、ふらふらして危なっかしいので一緒についてった。寝て起きた事もあり幾分酒が抜けたのか、トイレを済まし手と顔を洗うと、だいぶシャッキとした。 戻って丞一郎が来たのと丞一郎の料理に喜んだ。結局『みーんな泊まってけー。飲もう!』と言う彼女におされ散々飲む羽目になり、また我が家にお泊まりになった。 こういう事はよくあるので客用の布団は沢山ある。敷けるだけ敷き詰め、修学旅行でもするみたいにみんなで寝てもらった。 ● ○ ● ○ よく朝、彼女は朝早く起きてみんなを起こさないようにこそこそと朝食の支度を始めた。日頃朝のそれも冬は、特に弱い筈なんだが……。客がいるこういう時は不思議と早起きをする。(多分……客をちゃんともてなそうと、どこか気が張ってるのかな。あいつのそういう[礼を尽くしてもてなす]事の出来る所、良い。さて、オレも手伝うか) キッチンに向かうと包丁を使う音が小さく聞こえて来る。 (ふふ……。この感じも、良いな。何気ないけど、今日も良い朝だと素直に思える。良い女を嫁にもらった)「おう、おはよう。王さま、何にやけてんだ?」「あ? おはよう。にやけてたか?」「ああ、にやけてた」「そうか、にやけてたか。ははは……。いや、なまえはオレの幸運の女神だなと思ってな。良い女だと実感してたんだよ」「なるほどな。しかし、お前が、朝から女房自慢するようになるとは。そこまで変わるなんて、昔からは考えられんぞ? つくづく女神さまは、スゲー女だな。それに俺にまでラッキーを分けてくれるしな」「どうだ? 良いだろ? ふふ……でも、オレのだからやらないぞ」「お前は……。もっと、女神に浄化されろ」 言い合いながらキッチンに顔を出すと、オレ達二人を見て『おはよう』と彼女が笑う。「おはよう。女神さま」「おはよう、くまさん。女神さまって何の話?」「王さまがな、君は幸運の女神なんだって。良いだろって自慢されてた所」「え? ……もー、朝から何、言ってんの?」 彼女が赤くなる。「でな、自慢する癖にオレのだからやんねーって。女神さま、もうちょいこのオレ様な王さまの心根を浄化してやって下さい」「何だよ。丞一郎、ヤキモチか」「くそー。その余裕な顔、ムカつく。今度来たらお前のだけとびきり辛くしてやる。もう一口で目ん玉飛び出そうなの出してやる」 やいやい言い合ってたら彼女がクスクス笑う。
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