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「みじゅ……」 ふらふらと自分で冷蔵庫に行こうとするのを、止めてキッチンチェアーに座らせる。これじゃ目が離せねー。藤守が察して言った。「あっちは、ええて。開けてもええんなら、俺が出るさかい。昴はお嬢ちゃん頼むで。で、開けてええのん?」「あ、ああ、すまねーが、頼む」「了解。お安い御用や。任せとき。お嬢ちゃんな、室長とえろう盛り上がって、何も摘ままんと早いピッチでガンガン飲んださかいにな。早よう、水分取らせた方がええわ。ほんならな」(やっぱりな) 苦笑いするオレにちょっと笑い、藤守が行ってしまうと彼女が『みじゅくらはいっ!』と騒ぐので、グレープフルーツジュースを飲ませた。 余程喉が渇いていたのか、彼女は喉を鳴らしごくごくと飲んで元気に言った。「ぷはぁー。うみゃいでしゅーぅ! おかわりくらはいっ!」「あはは。お前、子供みてーだな。つーかさ、何か敬語になってねえか? お前は、面白れーな。見てて飽きねーよ。ははは」 笑ってジュースを出してたら丞一郎が『よう』と顔を出した。「何だ、楽しそうだな」「ああ、ちょっとな。それはそうとお前、どうしたんだ? 何かあったか?」「ああ、ケータリングサービスに来た」「は?」「実はな、お前の家からもらった年賀状が当たってな。切手シート以外、当たるなんて珍しいからな。今年はツイてる年になるかとちょっと気分が良くなってなぁ。気持ちばかりだが、いい気分にしてくれたお前達に、ささやかな恩返しだ」 丞一郎が持って来たものをキッチンに出す。「盛り付けるのに、キッチンと皿を貸してくれるか?」 食器を出し手伝う事にする。二人で盛り付けてると、彼女が『はーい、はーい』とまるで授業中の小学生のように手を上げて騒ぐ。しょーがねーなと思いつつ、笑いながら教師よろしく、さしてやる。「はい、何ですか?」「ぼくもぉ、てちゅだいまふー」「あー、今日はお手伝いは足りてます。君はそこに座ってなさい。良いですね? ちゃんと許可するまで大人しく座ってるんですよ? 分かった人」 そういうとまた『はーい。分かりまちたーぁ』と返事を返し、グレープフルーツジュースをちびちび飲みながら、大人しく待つ彼女。「あはは……お前、学校の先生みたいだな。ははは。お姫さまは、今夜はすっかりご機嫌なんだな」「ああ、盛り上がってだいぶ飲んだんだ」 ほどなくして、盛り付けも終わりふと見ると、彼女は座ったまま、すやすやと眠っていた。 そのあどけない顔を見て思わず頬をゆるめると丞一郎が『あ、寝ちゃったのか』と小声で言った。 それから、くすりと笑うとオレに言った。「料理は俺が運ぶから、お前はお姫さまを運んでやれよ。そういうのは、やっぱり王さまの役目だろう?」 いたずらな顔で笑う丞一郎に『ああ、オレの役目だ。じゃ頼むな』と笑って返し、彼女を抱き上げた。
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