ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「明日、昼休みにでも選んで帰りに引き換えに行くか。な」「うん、ふるさと小包って何があんの?」 ノートパソコンで、一覧を出し二人で眺めた。色々ある中に彼女の好物があった。一瞬目が輝いたのをオレは、見逃さなかった。だが案の定、遠慮して[これが良い!]とは言って来ない。「姫はどれが良い?」「ん? てかさ昴のが当たったんだから、昴が欲しいのにしようよ。どれが良い?」 逆に聞き返された。全く、オレの女神さまは奥ゆかしいというか健気で可愛い。自分の事より先ずオレを優先してくれようとする。つくづくオレは幸せ者だと思いながら、彼女の頬に口づけた。 ● ○ ● ○ 彼女がオレの好きな物にしろと言うので、昼休みに郵便局に引き換えに行って来た。 帰るまで捜査室の冷蔵庫に入れて置く事にした。まだ教えてないので、彼女は中身が何か知らない。定時で幸い残業もなく彼女を連れてとっと帰る事にする。今日の食事の支度は任せろと彼女をリビングのソファーに座らせた。準備も一区切り付いた。静かなのでリビングを覗くと、彼女はソファーで猫みたいにうたた寝してた。そっとブランケットを掛けて、彼女の喜ぶ顔を思い浮かべながら、キッチンで仕上げに掛かった。 ● ○ ● ○「うわあぁでっかい海老だあ! スッゴーい。美味しそう……お店みたい」 今夜は彼女の為に用意したディナー。柴ちゃんやたけの結婚式で、彼女が幸せそうな顔で食べてた[伊勢エビのテルミドール]がメインだ。見るなり彼女の目がキラキラした。食べる前から、嬉しそうな顔だ。やっぱりこれにして正解だった。「あ、でも昴の好きな物じゃなくて良かったの?」「ちゃんとオレの好きな物にしたぞ」「えー海老は、僕の好物じゃん。海老って僕の為でしょ?」「うん、姫の好きなもんだよな。姫、今夜のメニューはお気に召されましたか?」「うん、スゴーく美味しそうで嬉しい!」「オレはそういう姫の嬉しい顔や美味しい顔、幸せな顔を見るのが、好きなんだよ。それが一番なんだ」「ありがとう……ダーリン。嬉しい」 それから、二人でワインを飲みながらゆっくりとディナーを楽しんでいた。……なのに、いつもの連中が酒を手に雪崩れ込んで来やがった。「あーら、やっぱり私のカンが当たったわあ。チビ助ー。アンタ、良い物食べてるじゃないのー。どれ」「ああーっ!!」 あろう事か、彼女の皿から海老をパクりとやった。室長以外の全員から驚きの声が上がる。「ぼ、僕の……海老……」 彼女は呆然と皿を見つめ呟くと、肩を落とし見るからにシュンとした。予想以上の落ち込みに室長が焦ったような声を出す。「何よ? 一口もらっただけじゃないよ」「でも、それ多分最後の一口。楽しみに取って置いたんじゃないの?」 小笠原が冷静に分析する。横で如月が言う。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。