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──初夢と新年に思う事。── 一月二日の朝、リビングの暖房を入れ、静かで朝に合いそうな曲を選び小さく流す。その後で、自分の珈琲と彼女のカフェオレを用意し彼女を起こしに寝室へ。 さっきまで、すやすやと眠っていた彼女はどこかぼっーとした様子で、ベッドの上に身を起こし座っていた。ショートの髪がぴょんと跳ねてる。半分覚醒し切れてない寝癖頭の彼女は、無防備で可愛かった。『おはよう』と声を掛け、頬に口づける。ぼんやりしながら『おはよう。昴……』と呟くように言った癖に、またころんと寝そうになる彼女。「ふふ……お前。せっかく起きたのに、寝ないの。髪、跳ねてるな。珈琲淹れたから飲みに行こう。ほら、セーター着て」「ん……」 寒くないようにパジャマの上から、彼女のお気に入りのざっくりと大きめなセーターを、すっぽりと着せた。まだ、ボーっとしてる彼女を抱き上げ、リビングへ移動する。 抱いたままソファーに座り、跳ねた髪を撫でる。彼女はオレの胸にくっつき『あったかいー♪』と幸せそうに言って、スリスリと顔をすり寄せる。無防備に甘える彼女が可愛くて愛しくて、自然に頬がゆるむ。(去年、元日に大雪の中で死に掛けた事を思えば……今年は、なんて穏やかで幸せな正月だろう) 片手に彼女を抱きながら、穏やかに安らぎ満ち足りた気分で珈琲を口にした。その匂いにくんくんして『良い匂い……』と、反応したので『飲む?』と聞くと彼女は『うん』と頷き身を起こし離れようする。彼女を引き止め『膝に座っとけ』と座わらせ抱き直す。カップを渡してやると彼女は両手でカップを包み、フーフーと冷まし口に運んだ。今、多分カフェオレは猫舌の彼女の丁度飲み頃の温度。「美味しい……」 彼女に笑顔が浮かぶ。二人でゆっくりと珈琲タイムを過ごす。「ふぁ……僕、いつ寝たか覚えてない」「ん? 昨日はお前、飲んでる途中で寝ちゃったんだぞ。気持ち良さそうに寝てたから、起こさないで運んだよ」「……お正月早々ごめん」「ふふっ、そんなの気にすんな。ぐっすり寝てたから初夢見なかったか?」「あ、そっか。初夢かぁ」「そう。初夢は一月一日から二日の夜か、二日から三日の夜に、見る夢だからな」「見たよ。最初のは、僕は出て来ないけどね。変わった夢だった。オチ無いけど、聞く?」「ん、聞きてー」「なんかねぇ。場所は地方の素朴感が多少ある普通のどこにでもありそうな小さな街なの。学生……大学生かなあ。女の子がそこで暮らしてて、ある時若い男がふらりと現れて街に住み着くの。天使みたいな綺麗な見た目で、不思議な魅力がある男」 話を聞きながら、イメージを膨らませる為に聞いてみる。「不思議な魅力? 瑞貴みたいな感じ?」「ちょっと違うかなー。魔力みたいな不思議さというか……」「魔力……」「んーー。何て言ったら伝わるかなー。なんだか分からないのに、惹き付けられるみたいな感じ?」「ま、何となく分かった。それで?」
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