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「最終兵器か。強力やねえ。結局、お願いはきく羽目になるんやもんなー」 藤守の言葉に『確かに強力だ』とみんなからため息が出た。如月が『ん?』と何か思い付き言った。「でも、断るとー『分かった』って返事した後のあの嬉しそうな笑顔、見られなくなりますねー」「それは嫌やなー」 それぞれ思い浮かべ『確かに』と頷く。それまで、黙って珈琲を飲んでた小野瀬さんが結論を口にするように言った。「あれは可愛いからね。見る価値はある。そうなると、やっぱりこのままが一番かもね」『だな』納得するみんなに彼がぼそっと言った。「……言っときますけど『オレの』ですからね」「やーね。昴、やきもち? アンタ、やっぱり『チビバカ』だわ」 室長が言い終わらない内に、捜査室のドアが開き、彼女が戻って来た。「ただいまー!」「おかえりー。お疲れー」 みんなで出迎えの声を返すと、彼女が唇を尖らせた。「室長。今、僕の事バカとか言ってなかった? お土産にたこ焼き買って来たのにぃ。居ない間に悪口ってひどいー」 ちょっと睨みながら、頬をぷぅーと膨らました。(ほんと、飾らないな。子供みたい。ああいう顔も、可愛い……)「チビ助、悪口なんか言ってないわよ。又タコみたいな顔して。たこ焼き食べたら共食いね」 みんなが笑う。「今度からチビ助をやめてタコ助にしようかな」「えー、じゃあ俺達はチビじゃなくて『タコ』呼びですか?」(如月が言うと本当に呼びそうだ) 彼女も同じように感じたらしく、焦ってる。「や、やだー。タコやだ!」『だぁ』と開けた彼女の口に室長がたこ焼きを突っ込んだ。「ほらほら、共食い」「……むぐっ。あひっーハフハフ」 猫舌な彼女は目を白黒させている。彼が慌てて素早い動きで、冷たい飲み物を冷蔵庫から取って来て彼女に渡した。「ほら、冷たいの飲め」「ハフハフ、ありやと。ゴクゴク……。はぁー、アチいけど旨い!」 言う彼女の傍らで、室長に先にやられて悔しかったのか、彼がふうふうとさっきより念入りにたこ焼きを冷まし彼女の口元へ。「ほら。お口、開けろ」 彼女は、差し出されたたこ焼きを“あむっ”と口に入れる。今度は丁度良い熱さだったのか、幸せそうな顔でモグモグと食べている。 「……モグモグ。おいひーい」 にこにこと幸せ顔の彼女に、彼も満足気だ。「ほら、チビバカじゃない」 室長が笑いながら言う。「ん……?」 意味がイマイチ分からない彼女は、モグモグしながらキョトンとする。彼女らしい反応に、みんなが思わず吹き出す。「えー何? 僕にも教えてよ。ねー、お願い」「出たでー。噂の最強が」「はぁ? 最強?」 彼女はワケが分からず、小動物のようにキョロキョロした後、首を傾げますますキョトンとした。(可愛い……ふふふ。確かに天然だな) そう思ったら言葉が、自然に口をついた。「まあ、こういう最強ならいいかもね」 僕の言葉にみんなが『全くだ』と賛同し笑った。 彼女はそれをキョロキョロ見回す。「何だか分からないけど。楽しそうだからいいか」 そう言って『ふふ』っと彼女も笑う。 やわらかな日差しの昼下がり、その明るく可愛い笑顔を見ながら僕は、もう一度胸の内で呟く。(やっぱり、彼女は最強だ──)──最強最終兵器?(改訂版)──End.
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