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● ○ ● ○ 自宅でくつろいでいた時だった。六曜表示付きの暦を眺めながら 『ねぇー』と 彼女が呼ぶ。「ん?」「婚姻届けは仏滅でも、良いよねぇ?」「ああ。良いと思うよ。つーか、お前もオレも占いだのそういうの気にしないしな。あ、お前はおまじないとかジンクス、ちょっと信じるんだっけ?」「ん、ま、ちょっとだけ。占いもちょっとだけ。気に止めたり止めなかったり……」「フフ、オレの可愛い仔猫ちゃんは結構、気紛れな仔猫ちゃんだからなー。で? 希望、あんの?」「うん。仏滅だけどその日が良い!」『何日?』と暦を覗く。「九月十四日! この日が良い」「え? オレの誕生日か?」「そうそう。つーか結婚記念日はこの日で決め! どーしてもこの日が良い」「オレは良いけど、お前良いの?」 「うん、この日ってぴったり。僕の大事な人がこの世に生まれた日。ねぇ、この日ってね。沢山、沢山、愛と幸せと嬉しい気持ちが溢れてた日だよ。昴、自分が生まれた時の事知ってる?」「そういやー聞いた事ねーな……」「だろー。良いものあげるぅ」 そう言って立ち上がり何かのディスクを持って来てセットし、リモコンをオレに渡した。「はい。愛しのダーリンに、プレゼントだよ。再生してみて」 ● ○ ● ○ 再生すると母さんが生まれたばかりの赤ん坊のオレを抱いて、幸せそうに『ほーら、お父さんですよー。はじめましてー』とカメラに向かい『ふふ……』っと笑ってた。撮影してる父さんの声も入ってる。『菫、君、ビデオ、撮れるかい? 私も息子と撮りたいんだが』『隆一さん、それ難しい?』『いやそんな事ないよ』一旦映像が切れまた始まる。父さんがオレを抱いてる。「うわー小さいな。首がぐらぐらだ……」「気をつけてね。ふふ……隆一さん、どう? 念願の息子を抱いた感想は?」 すると今より若い父さんが、とても幸せそうな笑みを浮かべて言った。「何と言うか、やっと会えたなって感じだな。嬉しい。それと、この子の為にもっと頑張らないとって、身が引き締まる思いもするよ。菫、頑張ってくれてありがとう……」 そこでオレが『ふぇ……』と声を出すと、父さんは焦った。「あっ、な、泣きそうだ。ど、どうしたら……す、菫、代わってくれ」「ふふ……そんなに慌て無くても」 そこで、また映像が途切れた。
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