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──愛と幸せが詰まった日。── 今日は、九月十三日の土曜日。オレ達は明日から、ちょっとした長期休暇に入る。休み前にやるべき仕事を二人でやり終えて、定時を迎えた。 今回、長期に休暇が取れたのは室長と、文句も言わずに『こっちは心配するな。いない間は任せとけ』と快く言ってくれたメンバーのおかげだ。特に室長は『いつも頑張っているからね。私達からのご褒美よ』と色々便宜を計ってくれて、夏休みの振り替えと、結婚休暇を合わせて取れるようにしてくれた。 みんなの優しさや、気遣いが胸に沁みる。こんな時、異動して良かったなと思う。 今までだって良い職場だった。桂木班、あそこでもオレは色々なものを得た。あの時、桂木さんの言葉に背中を押され、異動してなまえや室長やみんなに出会い、更にオレの世界は広がった。 そして、オレの人生に何よりも大きな影響力を与えたのは、やはりかけがえのない大事なひとに会えた事。 二人で室長の所に行き、挨拶をして明後日の事なんかをもう一度頼んだ。「明後日、楽しみにしてるわ。向こうで会いましょう。チビ助、明後日、おブスになったら困るから、明日は夜更かししないでちゃんと寝なさいよ。ふふ……じゃ、お疲れさま」 室長やみんなに帰りがけにもう一度『明後日、楽しみにしてるぞ』と言われ捜査室を後にし、家路についた。 ● ○ ● ○ 明日はオレの誕生日で、正式に彼女が、オレの家族になる日だ。オレ達は明日、婚姻届を出す。そして明後日には、オレは彼女と結婚式を挙げる。(ここまで来る迄、色々あった。彼女は何度もヤバい目にあったし、幸せになる事を躊躇した。その度乗り越えて、やっと迎える──明日なんだ。[明日、彼女がオレの妻になる]そう思うと感慨深い) 頭の片隅でそんな事を考えている内に、家に着いた。二人共どこか緊張し、それでいて浮かれているような、ソワソワして何となく落ち着かない感じだ。とりあえず心を落ち着かせる為、お茶にする事にした。オレは、お茶を飲みながら思い返していた。 この婚姻届を出す日を決めた時のエピソードは、オレの忘れられない想い出を、またひとつ増やす事になったんだ。 本人は天然な所があるから、自覚があるのか無いのか分からないが、その時に改めて思った。(彼女はオレのツボをついて、心を掴む達人だな) 思い出すと恥ずかしいんだが。感極まって泣けた。その位嬉しかったし、グッと来たんだ。それは、彼女の気持ちの詰まった最高のプレゼントだった。
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