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「ん、ありやと」 冷たいレモン水を“ごくごく”と飲み、お代わりして飲み干した。そして突然、目を覚まそうとするかのように自分の顔を“ペチッ”と叩き頭を振り、また両頬を“パンッパンッパンッ”と強く叩いた。酔って力加減が分からなくなっているらしく、思い切りパンパンやっている。慌てて止めると、頬が赤くなってしまっていた。「あーあ、お前はー。赤くなってんじゃねーか。腫れちゃうぞ。……ったく、ちょっと飲み過ぎだ」 彼女の両手を押さえお小言を言うオレを、見上げまじまじと見つめる。「昴?」「ん? 何だ? どうした?」「痛い?」 彼女がそーっとガーゼを貼った所を擦る。「いや、大丈夫だ。痛くねーよ」「ねー、昴ぅー」 彼女が甘えた声出し、オレにしがみついて胸に顔を埋めた。「んー? どうした?」「あのさーもう僕を助けるのに、無理しないで。約束、ね? さっきだって危なかったよ? 昴が怪我する位なら僕の事は、ほっぽって良いよ……」「やだね。約束しねーよ」 その答えに彼女がガバッと離れ不服そうな顔で口を尖らせた。「何でぇ?」「そんな事、出来ねーから。オレとお前は、その場かぎりの嘘約束はしねーの」「ダメっ! 嘘じゃなくて本当の約束しよ。お願い! ……僕なんか、どーでも良いからさ。危ない事しないで? ねぇ、頼むよ……」「ん? 何、泣いてんだよ。オレは大丈夫だよ」「大丈夫じゃないよっ! 怪我したじゃん! ヤダ……うっう、うぅ……」「珍しい。今度はチビ、泣き上戸だー」「きっとそれだけショックだったんだろう」 如月と明智さんの会話を耳にしながら、彼女をなだめようと声を掛けた。「……おい、本当に大丈夫だから」「昴、約束する? 自分が危なくなりそうな時は、無理して助けないって。ねぇー」「あ? だから、ヤだ。しねーよ。オレはお前を見捨てたりぜってーしねーの」「昴の……ばか! 危ないのに。もしもの事があったらどーすんだよ!」「あ? バカ言うな。もしも、なんてねーよ」「……それ、本当? 本当に本当?」「ああ、本当」「……なら、お前にもしもの事があったらさ……。僕も、その場で死ぬよ? 良いよな?」「あ? 死ぬ、だとっ? なあ、お前酔ってんだよなぁ?」 オレは彼女を胸から引き剥がし、顔を見ながら叱るように言う。 「なまえ、冗談でもそんな事言うな!」「冗談? そう思うの? ふふ……」 そう言って笑う彼女の目は驚く程真剣だった。
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