ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
──君と交わす誓約。── オレには、彼女とした約束が幾つかある。どれも彼女とオレが幸せになるように、交わした大事な約束だ。中でも特にオレが常日頃、頭の片隅に置き厳守しようと決めている約束がある。 彼女を守る為の大事な約束──。 その約束をしたのはオレ達が一緒に暮らし始めてから、確か半年以上は過ぎたそんな頃だったと記憶している。 ある事件後、オレは軽い傷を負った。(彼女を守れて良かった) オレにとっては怪我とも言えねーようなかすり傷より、その事の方が大きな事だった。 定時後に小野瀬さんも交えて、ヤマが片付いた慰労会をする運びになった。話の成り行きで、我が家に来る事になった。 みんなを招きオレ達と明智さんの三人で、簡単なつまみを用意した。 支度が整うと室長がグラスを手に立ち上がり、先ず皆への労いの言葉があった。それからグラスをかかげ室長が『乾杯ー!』と高らかに言う。その声に、オレ達も笑顔でグラスを合わせた。ヤマが無事に片付いた事に誰もが、ホッと肩の荷を下ろし酒を楽しみ始める。 そうして暫くみんなでワイワイやっている内、彼女がどこかヘンだなと感じ始めていた。酒を飲むスピードもやたらと早い。「あら、チビ助。珍しいわね。もう酔ったの?」「いーえー。酔ってなんかいませんよぉー。ふふ……室長、おかわり!」「あ? ほら」「あざーすっ! 室長も、どーぞー。とっとと……はい、かんぱーいっ!」「なまえ、さっきから呑んでばっかだろ。食わねーと、酔いがまわるぞ。ほら、あーん」 ほっとくと、早いペースで酒ばかり飲んでる彼女につまみを食わせる。「あーん。おいしーねー。昴も、あーん。はれ? 落ちた。くっくくあはは……」 箸で小皿から食べ物を取ろうとして取り損ね、小皿に転がる様子を見て笑い出す彼女。「おやおや、今なら箸が転がっても笑いそうだねぇ? おチビちゃん」「えー? 箸が転がっても? 小野瀬さん、何ですか、それ? こう、ですかー?」 如月が箸を転がす。それを見てまたケラケラ笑う彼女。「……あれー? 本当に笑った。チビ、面白いのかー?」「彼女、結構酔ってるね。笑い上戸になってる」 小笠原が心配する通り彼女は、かなり酔っているようだ。ご機嫌は良いが少々心配になって来る。「室長ー! 呑んでぇ。あけて、あけてー。一緒に飲もー」「あ? はい、はい」 室長が“ぐびぐび”と飲み、グラスを空けて彼女に出すと、にこにこしながら酒を注ぐ。「はい、どぉーじょ」「わ、チビ、こぼれるで!」「おっと、と……」 なみなみ注がれた酒に室長が、慌てて口をつける。「ああー。にゃはは……失敗ーぃ。ごめんちゃーい!」
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。