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そう言うと彼女がちょっと俯いた。「……ヤバい」「ん?」「もう心臓、ドキンドキン……昴、カッコ良すぎ。ねぇ、もう帰ろうか……」「もう帰りてーの?」「ん、早く独り占めしたい」 うっとりした、けれど熱情を感じるどこか色っぽい瞳で見つめ、呟かれるとオレの方がドキッとした。「ねぇ……明日から頑張れるようにぃ……」 彼女がテーブルにちょっと乗り出して、向かいのオレの耳元で囁いた。「お・ね・が・い。僕に昴の愛をちょうだい。今日は……いっぱい愛して?」 離れて戻る時、瞳が合った。 彼女は時々凄腕のスナイパーのようにオレを捉え、射ぬく。彼女の武器は、殺し文句と魅力的な黒い瞳。オレは彼女には簡単に殺られちまう。参った事に、彼女にだけは勝てる気がしねー。(ああ、参った。心臓がドキドキ高鳴って余裕ねー。今すぐに彼女を腕に抱いてキスしたい。……待て、待て、落ち着け。これじゃ良い歳してガキみてーだろ。オレ……) なんとか衝動を抑え、余裕ありげにフッと笑ってみせる。「じゃ、行くか? 姫、お手をどうぞ?」 そう手を差し伸べてスマートに彼女をエスコートする。(そう、彼女じゃねーけど……オレもやせ我慢) 本当はドキドキで余裕なく、ノックアウト寸前でも…… やっぱりオレは彼女の前では、格好良い男でいたい。(ったく、オレの余裕をこんなにいとも簡単に奪う女は、こいつ位だろうな) 内心、苦笑いしながら彼女を連れて店を後にした──。──やせ我慢。──End.
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