ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
● ○ ● ○ 乾杯の後、いつものように飲み食いし始めるみんな。彼女はディバッグからコンパクトに、たたんだレギュレーターストーブを出し組み立てると、カセットボンベをセットして鍋でお湯を沸かし始めた。お湯が沸くと、先ず小野瀬さんの珈琲を淹れた。それから熱燗の準備し、立ち上がりみんなに希望を聞く。「はーい、皆さーんお代わりは熱燗が良い人、手挙げてー」「あら何? チビ助、熱燗出来るの?」「うん、レギュレーターストーブを、持って来たから」「レギュ? 何とかってなんや?」「んー、これ」「チビ、そんなん持って来たんや?」「うん、小さくたためるから、バッグに入れて来た。今日の天気じゃ外、寒いかもと思って。これさ、アウトドアのなんだけど便利だよ。軽いし、カセットボンベはコンビニで調達出来るしさ。これがあれば、ツーリングの時に外で珈琲を楽しむ事が出来る」「へぇー、外でな。ええやん……俺も買おうかな」 藤守がしげしげと眺める。「チビ助ー、お父さんは熱燗が良いわ」「はーい了解。他の人はー?」 オレと桂木さんと石神、後藤が熱燗を希望した。すると結菜と翼さんが言う。「温かいの、良いなぁ」「うん、でも日本酒は……ちょっとキツいな」「んーそうかぁ……」 彼女は、今あるものを見回してからオレに聞いた。「ねぇ、昴、ワインとオレンジジュースと、お砂糖をまぜて温めたらホットワインだよね?」「ん、そうだ。それなら、飲み易くなるな」「翼ちゃん、結菜姉、ホットワインは? どう?」 彼女が聞くと、女子二人とそれから明智さんや何人かが、ホットワインを希望した。『寒くても冷えたビールが良い!』って元気なヤツ等もいて、サーバーも大活躍だ。 ただ、レギュレーターストーブが一台しかないので、温かいのを用意するのが忙しくなった。彼女は熱燗を作った後に、ワインを温めてホットワインを作り、熱燗のお代わり用にもう一度お湯を沸かした。 合間に自分も酒を飲みつつ、周りを見回して、オレやみんなに料理を取り分ける。サッサ、サッサと何気なくやってるから、目立ってないが大忙しだ。 勿論、翼さんや結菜もみんなに、料理を取り分けてはいる。だが見ているとなまえが先に気付き、さりげなくやってしまってる事が多い。(ったく、それじゃ花を見る余裕もねーだろうが……) そう思った所に、黒澤が『日本酒とワインにオレンジジュースが足りなくなりそうですね。俺、ちょっと買って来ます』と言うのが聞こえた。「あ? 黒澤、買い物か? オレが行って来てやる」「え? 良いんですか?」「ああ、良いよ。なまえ」「ん? なぁに? 昴。お代わり?」「買い物に行くから、おいで」「買い物? でも、火をみてないと危ないし……」「ああ、火は黒澤と真壁がみててくれるから、大丈夫だ。な? 黒澤、真壁」「はい。良いですよ。なまえさん、ここは任せて下さい」 と真壁が言うと黒澤が『買い物お願いします』と言い、藤守が聞いていたのか『ええで。ここはお兄ちゃん達に任せとき。二人で仲良う行って来なさい。ゆっくり行って来てええから』と彼女に言った。『良いの?』と言う彼女の腕を持ち立たせると『良いの、良いの。ほら、靴はいて』と靴をはかせ、しっかり指を絡めて手を握ると彼女を連れ出した。 後ろで、そらと如月が『あー二人で、どこ行くのー?』と叫ぶのが聞こえたが、知らん顔でスタスタとその場を離れた。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。