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「すごい、すごい! あ、こっちはでっかい海老だ! 鶏もある。ケーキもっ! あー僕の好きなものばかり。ひゃーすっげー♪ 夢ご飯だ!」「夢ご飯?」 小笠原が彼女に訊ねる。「うん、夢のようなすごいご飯。略して夢ご飯♪ サイコー!」 料理を前にはしゃぐ彼女をみんなが優しい顔で見た。[Happy Birthday to You]を歌う。 昼休みを利用した本当に、ささやかなお誕生日会だ。 それでも彼女は本当に嬉しそうに微笑む。彼女の花のような笑顔にみんなも嬉しそうだ。「はい、おチビちゃん。みんなから誕生日プレゼントだよ」 小野瀬さんがでかい包みを渡す。『うわぁ! ありがとう! 開けて良い?』と言う彼女にみんなが頷くと、ワクワクした顔で包みを開ける。「うおーっ! これはっ!」「君、この【グランドマイスター】が、欲しかったんでしょ?」「そうだよ、そうだよ。これ、四リットル用だねぇ。まさに、僕の欲しかったやつだー。 真ん中の筒に氷を入れてさ、周りにビールやワイン、ま、他のお酒やジュースでも良いんだけど……入れて冷やすと水っぽくならずに冷えたのが、美味しく飲めるの。電気使わないから野外でも使えるんだよ。でも、ちょっとお値段がお高いから買うの迷ったの。なんで小笠原さん知ってたの?」「昴に聞いたんや。チビの欲しがってそうなもの知らんかってな」「そしたらチビが最近、雑誌を食い入るように見てたって聞いて、持って来てもらったんだ」 藤守と明智さんが言い、如月が続ける。 「開きあとのついたページ発見してさ、チビは酒好きだからこれに間違いないってねー」 彼女は『そっかー』と納得すると、目の前のプレゼントを大事そうに抱えぎゅっとすると嬉しそうに『うひゃー♪』と声を上げ、くるりと回った。その踊り出しそうな彼女の喜び具合を見て、みんなが笑みをこぼす。こんなに素直に喜ばれると、オレ達まで嬉しくなる。「ねぇ! 室長、四月になったら激忙しいの終わる?」「ん? そうねえ。何?」「お花見! みーんなでお花見したい! それでこれ、持ってくの。桜見ながらさ一杯。きっとサイコーだよ」「桜で一杯か……旨い酒が飲めそうね。頑張ったお疲れさん会も兼ねてやるか」 室長の言葉にみんなが『賛成ー』と声を上げる。「じゃあ、また夢ご飯にしないとな。腕によりをかけて、お花見弁当作ってやるよ」 オレが言うと彼女は、はしゃいで『昴サイコー!』とぴょんと跳ねて首に抱き付き、頬にちゅっとキスをした。「あーこらチビ助、職場で! ……まあ、誕生日だから今日は多目にみるか。さ、ケーキ食べるわよ。私のはチビ助食べなさい。それでもっと、ころころになりなさい」 そんな室長の言葉に皆で笑い、ケーキを取り分けた。嬉しげにケーキを頬張る彼女を見ながら、お花見もこんな笑顔が見られるように、楽しませてやろうと思った──。──誕生日に咲いた君の花笑み。──End.
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