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──ガタッ──「……おい、オレに何、隠してんだ? 言え」「えっ、な、何も隠してない、よ? ってか、す、……一柳さん怖いよ?」「何で今、呼び直した?」 追及にあきらかに焦る彼女に詰め寄る。「メラメラ大魔王降臨」「え? メラメラ大魔王? な、何で? 何でメラメラになるの?」「ああ? 今質問してるのはオ、レ。……吐け」「一柳さん、こ、怖い……だから何もないよ?」「その[一柳さん]って、なんか気持ち悪いわねえ」「言えてますね。確かに、最初はそう呼んでましたけど……」「今聞くとなんや妙な気ーしますね。もう[一柳さん]より[昴]が定着してたやん。それなのに何で? 何かあったんか?」「な、何もないって!」「午前中は普通に[昴]って呼んでた」『ああ、確かに』と小笠原の言葉に頷くみんな。「そういえば……チビ、さっき携帯見て『えっ!?』って言ってたよなー。何、見てたんだー?」 言いながら、机に置いてあった携帯を如月が開く。「あっ!」 手を伸ばしワタワタするが届かず、画面を見た如月がちょっとニヤりとしながら言う。「あーあ、何だ、こういう事かー。なるほどねー。チビ、これ気にしたんだ? 可愛いー」『うっ』と漏らし真っ赤になる彼女。「何だ? 如月、言え」「つまり、ですねー『二人きりのならともかく、周りに人がいるのに、男を名前で呼び捨てにするのはひどくプライドが傷付き、その女からどんどん気持ちは離れて行く』的な記事を読んだみたいです」「アッハハハ……何だ、そういう事か。お子ちゃまねえ」 如月のを聞いて室長が笑い出す。「うーっ」 ゆでタコみたいに真っ赤になり俯く彼女。「でも、可愛らしぃやん」「素直だから」「だな」「ちぇー。残念ーー」「あ? なんか言ったか? 如月」 たじろぐ如月はほっておき、オレは彼女のおでこをペチッと軽く叩く。「バーァカ、そういうの真に受けんなって、いつも言ってんだろうが」「だってぇ……」「『嫌われたらヤダ』、だろ?」 オレを上目遣いに見ながら『んー』と言う彼女に(……ったく、しょうがねーなー) ちょっと苦笑いしながら「オレが、そんな事でプライドが傷ついたって、お前を嫌うって? お前、このオレがそんなにヤワだと思うの?」「んー……思わない」「だろ? なら余計な心配だって、分かった? 分かったら、これから何て呼ぶんだ?」「……一柳、さん?」「ああ? そーか、おしおきされてーのか?」 睨んだフリで言うと彼女が、慌てて顔の前で手を振り「あ、う、うそ、うそ! 冗談だよ! 昴」「よろしい」 『へへっ』と笑う彼女を、ぎゅっと抱きしめたくなる。 だが、ここでそんな事をしたらオレが、室長におしおきされる。 抱きしめたいのを我慢して頭を撫でる。「やっぱり、ラブラブ期間は終了しないんだなー」「終了どころかますますラブラブやん」
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