ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『くれるのか?』と聞くとコクコク頷き、オレにキャンディをくれた。美味しい? と聞くような仕草をして微笑む彼女。「ああ、美味しい。苺味だったぞ。じゃ、こっちのは桃かな? 食べてみな」 口に入れてやると、口パクで[もも]と言った。「やっぱり桃か。それも美味しい?」 彼女はにこっと笑いコクコク頷く。『どれ?』と言ってキスしようとすると、彼女は慌てて離れ手をブンブンと振った。「何? ダメ? いーだろ? 味見させろ」 そう言って、もう一度キスをしようとすると、彼女はパッと自分の唇を手で隠してしまった。 オレは、ニッと笑ってその手を掴み引っ張る。いつものようにすばしっこく動けない彼女は、簡単にオレの腕の中に捕らわれる。もう逃げ道はない。「捕まえた。良いからキス……させて。嫌がるな。風邪うつってもキスしてーんだ」 彼女が困った顔をして、頬にキスをくれた。「ん? 治るまでこれでおあずけ? ……はぁ仕方ねーな。その代わり早く治せよ。じゃあ、今夜はもう寝よう。な?」 彼女を抱き上げ運び一緒にベッドに入った。「なぁ、治ったら高校生みたいなデートするか?」 声を出さない代わりに、表情や仕草で聞いて来る。それでも分からない時は、オレの手のひらに指で字を書いた。案外それでなんとなく伝わって会話が成り立つ。話す内に彼女は眠ってしまった。高校生みたいなデートが楽しみなのか、眠る彼女は少し微笑んでいるように見える。手に、さっきオレがやったキャンディの瓶を、寝ながらしっかり握ってた。「フッ……子供みてーだな」 そっとキャンディの瓶を取り、ベッドサイドテーブルに起く。おでこにおやすみのキスをして、枕元の明かりを消し彼女の隣で眠りにつく。 その夜、オレはファンタジーな夢を見た。 真っ白な中に色とりどりのカラフルな大きなキャンディが、幾つも浮いていた。とても綺麗で幻想的な場所だった。どこだろうとキョロキョロとしていると、白いふわふわなウサギの格好をした彼女がキャンディに乗って、オレの前にやって来た。「ねぇ、どこ行くの? 一緒に遊ぼう? 楽しいよ? 乗りなよ」 そう笑顔で言って、キャンディに乗せてくれた。ウサギの彼女とキャンディに乗り、ぽわん、ぽわん、と浮かぶカラフルでキラキラして綺麗なキャンディの間を、縫って走る。楽しそうにはしゃぐ彼女につられ、いつしかオレも子供のようにはしゃいでた。 その内に、遊び疲れて喉が乾くと彼女は、緑色と白の縞々のキャンディの所に向かった。 そのキャンディには、蛇口がついていて『これだけ違うんだな』とオレが言うと、彼女が『アレ? 飲んだ事ないのぉ? 美味しいのに』と言って、空中でパン! パン! と二度、手を叩くとグラスが二つ、ポンッと現れた。彼女がシュワシュワした液体を、グラスに注いで渡してくれる。「はい。すごく美味しいよ。甘くてシュワシュワなの。かんぱいしよ? かんぱーい♪」 飲んでみると、よく知ってる味だった。「あ、クリームソーダだ」「これ……クリーム、ソーダって言うの? 僕はシュワシュワって呼んでたよ。美味しいでしょ?」 笑うウサギの彼女が可愛くて、そのあともかくれんぼしたり、キャンディをおはじきみたいにぶつけたり色んな遊びをして笑い合うそんな夢。 朝、ふと夢から覚めると、彼女が珍しく先に起きていて、優しい顔でオレを見てた。 あとで聞いたら彼女はこう答えた。「目が覚めたら、昴がとても楽しそうな、幸せそうな顔をしてたから、ずっと見てたの。楽しい夢だったんでしょ? 良かったね」 そう笑顔で言った彼女が、あのウサギの彼女の笑顔と重なった。「ああ、甘くて、綺麗で……とても楽しい夢だった」 そう言ってオレは、彼女を腕の中に抱き包んだ──。──Candy☆LandのBunnyちゃん。──End.
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。