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──Candy☆LandのBunnyちゃん。── 三月十四日。ホワイトデー。彼女の『くまさんの所で美味しいの食べてまったりしたーい』との希望で、すっかりお気に入りになった丞一郎の店を予約した。「一緒に手を繋いでショッピングして、映画を観てそれから食事をしてー」 それが、彼女のリクエストだった。『みんなで又、温泉旅行に行きたいな』と言ってたが、今は休みが取れそうもなかった。三月は年度末な事もあり通常業務の他に、事務的な業務が増えて提出書類なども結構あり、バタバタしている。でかいヤマがないだけマシで、当日残業無しで上がれるのが、唯一の救いという有り様。 うち(捜査室)は残業がないけれど、桂木班や公安の連中は連日残業続きで、もっとひどい状態らしい。ホワイトデー合コンも、行かれないのだと如月がボヤいてた。 普段あまりおねだりをしない彼女だから、本当は温泉に連れててやりたかった。 だが、この様子ではホワイトデーだけでなく、彼女の誕生日にも[みんなで温泉]は難しい。思えば去年の誕生日も、ろくに祝ってやれずに後からやったんだった。 この現状は男連中を、少なからず落胆させた。中でも特に、オレと室長を……。 彼女に『なぁに? 昴もお父さんも元気ないねぇ。温泉? ああ、もっと暇になったら行けば良いじゃん。温泉は逃げないもん。お楽しみは後から来るもんだよ』と励まされる始末。 で、がっかりするオレに彼女が『普通にデートも楽しいよ』と出したのが、さっきのリクエストだった。 ● ○ ● ○「真山さん! これ君に受け取って欲しいんだ。今日、ホワイトデーだろう? それで、あの……良かったら、今度食事にでも──」 オレは、またかと思いながら、急いでる風で彼女に声を掛ける。「真山、事件だ。行くぞ …………あ、悪いな。急ぐから」 告白男に包みを返し『あ……』っと情けない声を出す男から、彼女を救出。そこへ男の仲間が来たようで、後ろから会話が聞こえて来る。「どうよ? OK貰えたの?」「え、あ、あ……いや……」「だろう? あの子、真面目でガードが固いって有名だもん。それにあの悪魔がバックに控えてるしな。そう簡単には行かないよ。まあ、確かにあんな格好なのに、可愛いけどなあ……」「で、でも、脈あるって!」「あ? 何で?」「今さ、俺が誘ったら頬を赤らめて目を潤ませてちゃってさー、めっちゃ可愛く見つめられたんだよ。あの顔は絶対、俺の事好きだって。邪魔が入らなきゃ上手く行ってたよ!」(おい、おい、……頭冷やせよ。お前の勘違いだよ、勘違い。なまえはオレのなの!)「ほんとかよー? なんか怪しいな」(おっ、もう一人の方はよく分かってんな) そんな事を思いながら捜査室へ入る。 もう朝からこんな光景や会話を何度、見聞きした事か……。「……はぁー」「お帰り。また?」 オレがため息をつくと室長が聞いて来る。『ええ』と返事をすると、彼女が申し訳なさげにシュンとする。
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