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「あのなー、本当に誤解するなよ? お前に会う前に少し、良いなと思ったけど。それ以上は誓って何もない」「ん……。でも、苦しかったな。他の人が好きな昴を見てるの」「なまえ……」「変だなぁ。夢なのに、今もまだ悲しい。こんなに、近くにいてくれるのに。時々さ、何だか凄く不安になるんだ。なぁ、昴。昴は、僕といて……ちゃんと幸せか?」「ああ、オレはお前がいてくれるだけで十分幸せだよ。だからずっとオレの傍にいろよ?」 彼女の顔が、悲し気な笑顔から泣きそうに歪む。 二人でいても、時折彼女は、孤独に囚われる事がある。もがいて逃れようと走る内に、行き先が分からなくなってしまうような、そんな感じかな。迷子みたいな顔をする。悲しみや寂しさ、不安、心細さ、そんなものがない交ぜになったそんな顔。(良いよ。何度、囚われて迷子になっても。オレが必ず、助けに行くから) そんな想いで彼女に手を伸ばす。(それにな、冗談じゃねーよ? お前がいないなんて、今さら考えられるかよ)「そんな顔するな。オレの姫は寂しがり屋だな。安心しろよ。ずっと、傍にいてやる。寂しい時はこうして抱きしめてやる。もう、一人ぼっちにしないから。な?」 そう言って彼女を抱きしめた。彼女はオレの身体に腕を回し、すがるみたいに抱きついた。「ありがと、昴。好き、だよ……」「フッ、知ってる。さあ、もう寝ろ。このまま抱っこしててやるから。今度は、楽しい夢見ろよ」「……ん」 その内安心したのか、彼女はオレの腕の中で寝息を立て始めた。「お前が存在しない世界なんて、そんなの真っ平御免だよ。オレが堪えられねーつうの。考えるだけでやだ。夢で良かったよ」 眠る彼女のおでこにそっと口づけて、一人こぼした。「大体なあ。我が儘ほとんど言わねーし、我慢のし過ぎなんだよ。お前は……」(明日はもっと、もっと、うーんと甘えさせてやろう) そう思いながら、幼子のようなあどけない寝顔を見つめた──。──脆く儚く。迷い子の君。(改訂版)──End.
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