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──魅惑のぬくもり。── 寒い、寒い冬の朝。彼女が身体をブルッと震わせ『んー』と小さく漏らす。布団の中で寝返りを打ち向きを変える。たぶん目が覚めてないんだろう。手探りでもそもそとオレを探してる感じだ。そしてオレを見つけてぴとっと、くっついて来た。腕を絡めて胸に、むきゅーっと抱き付いて来た。そうして安心して、また『すーぅ、すーぅ……』と穏やかな寝息を立て始める。 オレは、まだ覚めきらない頭で目を閉じたまま、その一連の動きを何となく感じていた。『……ん』と声を漏らして、夢うつつの中で(……さみーのか?)と思い、彼女を抱き包む。彼女は腕の中で[すーぅ、すーぅ、すやすや……]と寝息を立てている。その、とても気持ち良さそうな寝息に、つられオレも[……スー…スーゥ……]と夢の中へ再び落ちて──「うん? あっ! もう、朝じゃねーか。いけねー」(危うく、また眠る所だった) まだ気持ち良さそうに[すーぅ、すーぅ]言ってる彼女を起こす。「おい、朝だぞー。起きる時間、ハニー……」「んー。むにゃむにゃ……さむぅーい」 彼女はもそもそと動いて、オレにすりすりすると幸せそうに[ふにゃ]とした顔で『へへ……』と笑う。そして、また[すぅー]と寝息を立て始める。「あっ、おい、すりすりして寝るなよ。起きる時間だつーの。……はぁあぁ。ダメだな。起きる気配もねーか。仕方ねー。先に起きて、準備してから起こそう。つーか、しっかりくっついてんなー。休みなら、ずっとこれでも良いんだけどな。……仕事じゃ、手をほどくしかねー。……よし」 オレが手をほどき、身体を離すと『んー? ……さむっ。んんー』と言って、ぎゅっと引っ付いて来る。「あっ、おい、ダメだって。誘惑すんなよ」 こういう寒い時は尚更、あたたかく柔らかで、なんとなく甘い香りの彼女は魅惑的だ。(許されるならオレだって、いつまでも抱いていてー) オレに絡みつく彼女の腕をほどいて、慌てて布団から出る。 この気持ち良い誘惑に、負けると確実に遅刻だ。「フッ、まだ寝ながら、オレを探してる。もう……オレだって、お前とぬくぬくしてたいんだぞ?」 頬にちゅっと口づける。彼女が『むにゃ……』と言って抱き付こうとする。「……おっと、危ねー危ねー。掴まると、引きずり込まれるからな。さて、飯の匂いでハニーをつるかな」 ● ○ ● ○ 朝飯の支度を終え、再び我が家の眠り姫を、起こしに行く。あどけない顔で気持ち良さそうに、寝息を立てている彼女。(寝かせておいてやりてー所だが……仕方ねー)「ハニー、ハニー。ご飯だぞ。んー今朝は、これでもダメか? 昨日よりさみーからなー……ん? プッ、口が動いてるぅ。クックク……ハッハハ。匂いは分かってんだな。もーこいつは。しょーがねー、抱えてテーブルに連れてくか。よっと」
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