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──Trick or Treat── 十月三十一日、今日はハロウィン。本当なら今夜は二人で、仮装をしてイベントに出向いている筈だった。だが……。「なまえ、ほーら、リクエストの南瓜のグラタン出来たぞ」「……ありがとう」 グラタンをトレイに乗せベッドに運ぶ。「まだ熱いから、先、熱測るか?」 彼女の耳に電子体温計を当てる。すぐにピッと音がして見れば、もう大分下がっていて心配なさそうだ。 ハロウィンデートを楽しみにしていた彼女は、かなりしょんぼりしていた。「……ん、36度8分か。下がったな。食べられそう? これ羽織っとけ」 彼女の肩にカーディガンを掛ける。「どれ、食べさせてやる。ふーっ、ふーっ、アーン……美味しい?」「ん、美味しい……」「まだつらいか?」「んん、大丈夫……」「ハロウィン、出来なくてガッカリしたか?」「ん」 しょんぼりする頭を、撫でた。「熱出たし、しょうがねーよ。最近忙しくて疲れた所に寒かったからな。でも、すぐ下がって良かったよ。ほらアーン」 ゆっくりと励ましながら食べさせる。「来年もきっと、似たようなイベントあるよ。来年行こう? な? 元気出せ」「ん……」「よし、全部食べられたな。良い子にはご褒美をやる。ちょっと横になって待ってろ」 彼女を寝かせると、準備したあれこれを取りに行く。 ● ○ ● ○「じゃあ、先ずはこれだ」「あっ、小さなジャック・オ・ランタンだ。可愛いー」 ミニ南瓜で作ったジャック・オ・ランタンを出すと彼女が笑顔になった。「おっ? やっと笑ったな。まだあるぞ。ちょっと起きられるか? ほーら」 それを、彼女の肩にふわりと掛けてやる。「わぁー赤頭巾ちゃん?」「ん、赤頭巾のマント。可愛いだろ?」「うん、可愛い♪ どうしたの? これ。いつもの所の?」「これはオレが作ったの。お前に赤頭巾、似合いそうだと思ってな」「すごい! ありがとう!」 彼女が嬉しそうに微笑む。「ふふ……じゃあ仮装した所であの台詞、言ってみな」「んートリック・オア・トリートーお菓子をくれないといたずらするぞぉ」「ハッピーハロウィン!」「あー! ハロウィンのクッキーだっ! おばけとジャック・オ・ランタン……可愛い!」「これもあるぞー。ハロウィンのデコプリン」 クッキーとハロウィン仕様にデコレーションしたプリンを出すと、彼女は目を輝かせて喜んだ。「わぁーこれも可愛い……こんなに、大変だったろ?」 感激したのか、彼女が目をうるっと潤ませる。
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