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● ○ ● ○ 黒澤がケーキの上で手を振る。「あ、来た来た。お二人ともお似合いですよ」「あれぇ? みんな、上にあがったの?」 彼女がそう問い掛けた。後藤が、ニヤりと笑いを浮かべる。「ああ。なまえ達も上に来い。ローズマリー、ピンクのうさぎか。フ、ククク……」 後藤のバカが、含み笑いから本格的に、笑い出した。ムカつく。「乙女なローズマリーにぴったりだな」「うっせーパジャマ! てめぇ、喧嘩うってんのか!」「昴、ほらほら、ジャレてないで食べようよ。目の前でお預けなんてさー僕、よだれ出ちゃうよ? いただきまーす」 彼女が側面をフォークですくい、食べ始めた。「あの、横じゃなく上って来ませんか? その方がクリームたっぷりですよ?」「え? 黒澤さん、上のがクリームが沢山なの? でもぉ……汚れないかな?」「ふふふ。大丈夫なのですよ。秘密の仕掛けがしてあるのです」 石神が、眼鏡のテンプルをくいっと上げる。キラッと眼鏡が光った。「うわぁ……スゲー光った。その眼鏡も、秘密の仕掛けなの? 秘密の仕掛けってさスゲーね。あっ! もしかしてさ、秘密研究所があるとかなの? 良いなー。かっちょいー! パワースーツとか開発して欲しいなー。かっちょいーやつ。弾丸とかナイフとか通さないでさー、早く動けるようになるやつぅ」 興奮気味に言うと石神が呟く。「秘密研究所、ですか?」「あ、そうか。秘密研究所なんだから、秘密か。だよな。大丈夫、僕、口固いから。安心して!」 ニカッと笑う彼女。見ていた黒澤が愉快そうに笑い出す。「ははは。楽しいひとだな。さて、そろそろ上に来ますか? じゃあ、お二人とも引き上げますよ……掴まって下さいね。よいしょっ!」 三人が、彼女とオレを引っ張り上げる。「なまえさん。思ったよりも、ずいぶん軽いんですねー」 黒澤が言うと石神と後藤が『ああ』『だな』と同調した。「ローズマリー、ちゃんと飯食わせてるのか?」「ばか! 当たり前だ! 旨くて栄養バランスの良い飯を、食わせてるに決まってるだろ」 揉めてると彼女が騒ぎ出した。「ちょっと、ちょっと! 昴、見てぇ! これ少しだけ浮いてる! それに、服にはつかないよ? 秘密の仕掛けスゲー♪♪」 喜んでくるくる回る。にこにこしながら、オレ達を振り返り聞いた。「ねぇ食べて良い? 良い? じゃあ、いっただきまーーすぅ! ……あむっ。うほっ! 本当だあ! さっきより旨い! スんゲー! 魔法みたいだ! ……あむっ。はむっ……これはぁ……旨ーい……」 旨そうに頬張りモグモグと夢中で食べる彼女。 後藤が、ちょっとあわれそうにボソッと呟いた。「なまえ……。やっぱり食べさせていないんだろう? 可哀相に……」 石神も頷き、なまえに言った。「なまえさん。沢山、あります。お腹いっぱい食べなさい」「おい、勘違いすんなよ。ちゃんと食べさせてるよ? なあ、なまえ」「ん? なぁに? ねぇそれより、みんなも食べようよ。旨いよ? ほら、昴。あーん」 彼女が自分のフォークで、オレにすくって差し出す。食べようとした時、横からかっさわられた。
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