ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「んーっ! サイコー。美味しい。はむっ……旨……幸せー」 にこにこしながらまるで、とりつかれでもしたように、夢中でバクバクと食べている。 石神は満足そうに頷くと黒澤に『例の物を』と次の指示を出した。黒澤がなまえさんに『これを』と、また何かを差し出す。なまえは、まだモグモグと食べ続けながら、合間に『これは何?』と訊ねた。もうモンブランに夢中だ。黒澤がちょっと笑いながら答える。「このモンブランは特別で、衣装に着替えて食べると美味しさが増すんです」「え? そうなのー!?」 そんな眉唾な話を目を輝かせて、彼女が鵜呑みにする。普段の冷静さも、慎重さの欠片もない。ちょっと不安になって来る。「黒澤、なまえに、嘘教えんな。信じちまうだろうが」「え? 嘘じゃないですよ? 本当です。お二人分ありますから一柳警部補も、ご一緒にどうぞ」「ああ? 本当、だってか?」 オレが怪しんで、物を確かめる。その間も、彼女はパクパク食べている。夢中で、スゴい勢いで頬張っている。 後藤が、夢中で食べる様子を見て『美味しいか?』と声を掛けた。彼女はケーキで頬を膨らまし、喋れないみたいで代わりに大きく頷いた。「それは良かった。フフッ、なまえ。顔にクリームがついているぞ」「……ん?」 フォークをくわえたまま小首を傾げる彼女に、後藤が手を伸ばし頬を拭った。それを見た瞬間[触れられたくない]と強く思う。 慌てて彼女を引き寄せた。「オレのなまえに、気安くさわんな!」 彼女を見ると勢いに驚き目を瞬いていた。やつの言う通り、彼女の顔にはクリームが沢山ついていた。今ムッと来た筈なのに、そんな彼女が可愛くて頬がゆるむ。「ふふ……本当だ。お前、いっぱいついてるよ? そんなに美味しかったのか?」「うんっ! めっちゃ旨なのっ! スゲーの。昴も食べてみて。もー驚いちゃうよ? はいっ! フォーク!」 頬と鼻の頭にクリームをつけたまま目をキラキラさせて、オレに自分のフォークを差し出す彼女。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。