ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
何だか楽しくなって来て読書そっちのけで、オレも彼女の柔らかな唇に吸い付くように“んーちゅぱっ”と音を立ててキスを返す。わずかに唇を離し呟く。「キスの日、最高にいい日だなー」「うふふ……だね」 オレを見つめ笑う彼女に、言葉を続ける。「ただ……」「ん?」「困る事がひとつ、あるよな」「困るぅ、事ぉ?」「ああ。分かんない?」「ん……」 小首を傾げる彼女に、さっきの真似して聞いてみる。「こーさん?」「んー。待った! 考えるぅ」 予想通りに負けず嫌いの彼女は、ストップを掛け考え始めた。(ふふ……。そう言うと思った) 彼女のそんな負けず嫌いな所もまたオレには、可愛く見えて愛しい。「ん? いいよー? じゃあ、待っててやる」 そうは言いつつ、大人しくは待たない。待つ間、キスを楽しむ事にする。──ちゅっ、ちゅっ……ちゅっ……ちゅっ──(ああ、気持ち良い。止まらねー) オレは思う存分キスをして、彼女の柔らかで甘い唇を堪能する。「にゃー!! もーぉ、そんなにちゅっちゅしたら考えられないよぉー!」「ククッ……にゃーって。あっははは……にゃんこかよ?」「あー、わざとー? ズルいよー。昴ぅ!」 言いながら彼女が、ぷぅーと膨れたフリをする。(……ったく、オレのにゃんこちゃんは可愛いな。膨れても、口元が微かにゆるんでる。フリなのが、バレバレだぞ?)「ふふ。わざとじゃねーよ。仔猫ちゃん」 尖った唇にまたちゅっとして言った。「今日キスの日なんだろ? 沢山しねーとな」──んーちゅばっ──(とろけそうな顔してんな……)「こーさん?」「うん。もう、考えるよりも」──ちゅーぅっ── 合間に吐息交じりのキスをしてきながら、彼女が言う。「もう、ちゅーのがいい……こーさんするぅ。教えて?」「止まらなくなるんだよ」「うん?」「キス、だよ。始めるとさ……」──ちゅっ── オレも会話の合間にキスをしながら教えてやる。「止まらなくなって、困るんだ」「ああ。なるほど……そうかも。もっとしたくなる、ね……」 上気した頬と、とろんとした色っぽい目の彼女を誘う。「じゃ、続きはベッドでな。仔猫ちゃん」 そう言って彼女を抱き上げると、寝室に行く前にまた唇を重ねる。「でも、キスしたい時に一緒に居られて、幸せだ……」「そっか……。キスは一人じゃ出来ないもんね」「一緒にいてくれてありがとうな」「一緒にいてくれてありがと」 偶然にも同じ言葉を同じタイミングで口にした。「あっ! ハモった!」「あー! ハモった!」「あ、また……ふふ」 顔を見合せ目を丸くした後、彼女が笑い出した。「ふふ。気が合うな、仔猫ちゃん」 クスクス笑い合う。それからもう一度、愛しさを宿した瞳を絡め引き合うように、ちゅっとキスをした──。──キスの日に……。──End.
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。