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「んー、何人もいらないもん。たった一人いれば十分」(だって……そんなにいてさ、もしも一斉にオレ様Sが発動したり、大人数の昴と、毎晩いつものが続いたら……僕、絶対ーに身が持たない。一人でいっぱい、いっぱいだよ) そう胸の内で思い、ひとり納得する。──と、昴が突然『なまえ、お前ってやつは』とぎゅーっと僕を胸に抱きしめた。(え? 何?)「なまえ。オレ……今、滅茶苦茶感動したよ!」(感動? 何で? 僕、感動させるような、そんな事言った?) 目をぱちくり瞬いていると、藤守さんも『ええなぁ』と呟き、如月さんと明智さんが『愛されてるよなあ……』と続けた。(確かに、愛してはいるけどさー。でもぉー。あれー? なんか違う方に解釈されてない? えーえー。でもこれは……黙っとこ) そう思い、ふっと室長と小野瀬さんが視線に入る。彼らはニヤニヤしながら、僕だけに聞こえるように代わる代わる言った。 「愛ねぇ……愛だってよ。チビ助」「フッ。おチビちゃん。でも、今のはそういう意味じゃないよねぇ?」 ニヤニヤ、ニヤニヤ。そしてハモった。「まだまだあいつ等も……」「彼らも……」「青いなあ」「青いねぇ」「あ、あははは……」 僕は内心冷や汗もので引きつりながら、乾いた笑いで返す。(バレてる。完全に。ひゃー!) でも──。 肝心の昴、我が愛しの彼には、まだバレてない。「あーマジ、本当に、可愛いヤツ。なまえー」 彼はめちゃくちゃ感動しながら、僕をまた抱きしめた。彼越しに室長と小野瀬さんを見る。僕が困った顔をしてたのか、二人はプッと吹き出し、ゲラゲラと笑い出した。「え? 何ですの? ここ、笑うとことちゃいますやろ?」「何、何? 室長、小野瀬さん、何ですかー?」「さー、何だろうねぇ。穂積、如月くんが何だってさ」「さあ、俺も分からねえな。チビ助ー、おかわりくれー!」「は、はいー! た、ただいまお持ちしますぅ」「あ? なまえ? 何かあった?」「う、ううん。何も。ダーリンもおかわりする? じゃ、じゃあ、急いでとって来るね」 カンの良い彼にバレない内に、キッチンに逃げる。 後ろでは、まだ如月さん達が騒いでる。何はともあれ、こうして知らぬが仏なうどん屋チビちゃん亭の夜は更け行くのでした──。(室長、小野瀬さん、お願い、言わないでぇーー)──うどん屋チビちゃん亭。──End.
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