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──桜影にて、守るもの(なまえ視点)── 桜を見ると、少しだけ胸が静かになる。 理由はよく分からない。 でも、こうやって夜に見る桜は――「……綺麗だね」 思わず、口に出ていた。 ひらひらと舞う花びら。 触れたら消えそうで。「……儚いね」 そう思った。 本当は、ちょっとだけ怖かったのかもしれない。 消えてしまうものが。 残らないものが。「そんな顔するな」「え?」「消えそうな顔」 昴の声。 低くて、まっすぐ。(ああ……見られてた) この人は、見逃さない。 どんな小さな揺れも。 だから――「僕は消えないよ」 ちゃんと、言う。「ここにいる」 胸を叩く。 少しだけ強がりも混ざってる。 でも、それでもいい。 昴が、少しだけ安心した顔をしたから。 ● ○ ● ○「僕が行く」 気付いたら、口が動いてた。 考えるより先に。 身体が動く。 それが、僕だ。「なまえ、待て」 昴の声。 止めるのは分かってた。 でも――「大丈夫」 本当は、大丈夫じゃない。 でも、行かなきゃいけない。「様子見るだけ。無茶はしない」(……するかもだけど) 心の中で、小さく付け足す。「昴は正面で待ってて」 一緒に来たら、バランスが崩れる。 だから、ここは僕。「お願い」 振り返る。 ちゃんと、目を見て。「僕、ひとりじゃないでしょ?」 それは、事実だ。 僕はもう、一人じゃない。 みんながいる。 昴がいる。 だから――行ける。「ちゃんと、みんながいる」 少しだけ笑う。 本当は、不安もあるけど。 それでも、信じてる。「……三分」 昴の声。 制限。 でも、それがある方がいい。「了解」 頷く。(見ててね、昴) そう思いながら、闇に入る。 ● ○ ● ○(……いる) 気配を読む。 足音。 呼吸。 鼓動。 全部が、鮮明になる。 怖い。 でも――(大丈夫) 言い聞かせる。 だって僕は、(ひとりじゃない)「そこ」 踏み込む。 身体が勝手に動く。 考えるより先に。 掴む。 倒す。 押さえる。「確保」 無線に乗せる。 終わった。 その瞬間、(……あ) 震えた。 遅れてくる。 怖さが。「……間に合った」 小さく呟く。 三分以内。 ちゃんと守れた。 ● ○ ● ○「無茶はしてねーな」 昴の声。 少しだけ、いつもより低い。「したくても、三分しかなかったからね」 笑う。 ちょっとだけ、強がり。 その時、「……震えてる」「え?」 言われて、気付く。 手。 震えてる。「……ああ」 苦笑する。「やっぱり、ちょっと怖かったみたい」 正直に言う。 隠しても、バレるし。 隠す必要もない。 昴の前では。 そしたら、 手を握られた。 あったかい。 しっかりしてる。「……言え」「ん?」「怖い時は、言え」 短い言葉。 でも、すごく真っ直ぐで。 胸に、すとんと落ちた。「……うん」 頷く。 少しだけ、力を込めて握り返す。「ありがとう」 自然に出た言葉。 だって、本当にそう思ったから。(ああ……) 僕はちゃんと、(守られてる) それが、嬉しかった。 怖かったはずなのに、 今は、少しだけあたたかい。 桜が舞う。 消えそうで、消えない。 僕もきっと、 ここにいる。 この人達と一緒に。──桜影にて、守るもの(なまえ視点)──End.
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