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新聞を眺めてた室長が突然『あー!』と声を上げた。「チビ助、お前の好きな西島。結婚だって。載ってんぞ?」「えっ? うそっ! マジー?!」 彼女が飯そっちのけで、室長の新聞にかじりつくように覗き込む。「ああ、マジ。ほら、ここ」 差し出された新聞を、奪い取るように受け取った。それを、穴の空きそうな程見ると『うわああーん! 西島くんーがぁっ!』と雄叫びを上げた。バサッと室長の机に新聞を返し『う゛ぁーー』と嘆きながら、両手で頭を押さえた。完璧に自分の世界に行ってるようだ。よろよろと、壁際に行き凭れる。『はぁー。知りたくなかった……』と呟き、ガックリと項垂れた。事情を知らない細野と大田は、びっくりしながら『ファンだったんですか?』と聞く。小笠原が冷静に答えた。「うん、ここに異動して来た頃には既に好きだったみたい。昔は切り抜きがデスクマットに入ってた」「ああ、そういえばあったな」 明智さんが思い出し言う。それに如月が、補足するように続ける。「俺があげた雑誌『この笑顔、可愛いー♪』って切り抜いて入れたんですよ。確か」「あーあー、あれね。そうそう。思い出したわ。チビ助ったら、たまにニマニマしながら見てたわよねえ」「それ、俺も見た事ありますわ」「いつの間にか、無くなったな」 明智さんが何気なく言うと、小笠原がボソッと答える。「一柳さんと付き合い始めた頃に、なくなった。悪いと思ったんじゃない?」 一人壁際で背を向け、黄昏る彼女をみんなが見る。オレは彼女を呼び戻すべく、声を掛ける。「なまえー、そろそろ戻って来い」 でも彼女は、微動だにしない。仕方なくため息をつきながら、迎えに行く。 ふと、彼女の顔を見る──。「おい。…………。お前何、ウルウルしてんだよ」 何となくムカついて、鼻をむぎゅっと摘まむ。「いひゃい」「あ゛あ? 痛くしてんだよ。この浮気者。おしおきだ」「あぅー」 ウルウルした目で見られると、やっぱり弱い。仕方なく離した。「オレというもんが、ありながらいい度胸だな。西島くんのが、良いのか? ああ?」「浮気じゃないもん。ちょっとびっくりしただけだもん……昴が良いに決まってんじゃん」「ふぅーーん」「何、その疑りの目。本当だもん。だってぇ、芸能人だもん。ありえな──」 そこまで言い掛けて、何か思い出し拗ねた顔になった。「あっ。昴にはありえなく無いんだった……」
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