ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
と、彼女が『あっ!』と何か思いついたように声を上げて、おでこを撫でるオレの手を掴み握る。勢い込んで、わりとデカイ声で言った。「ねーやっぱり、出来て無いんじゃない? だってさ、いつもちゃんとつけてるじゃん!」「そ、そうだけど。お前、そんなデカイ声で……」「あ、そっか。ごめん」「まあ、良いけど。んーとな……あれだよ。そりゃあ、してたけどな。しててもアレだけじゃ、百パーセントじゃねーしな……」「百パーセントじゃない? って──なら、出来てるかも知れないって事? えー……だって。そんなの……。急にはマズイよ。マズイ。今はさ、特にマズイ……出来てたら、仕事だって内勤がいっぱいいっぱいじゃん。……う゛ーそりゃあさ、いずれはあってもね。今はありえんでしょう。で、でも、そうだったら──。う゛あ゛ーどうしよう……どうしようって言ったって、選択肢は、産むか産まないか二者択一か。え゛ー。だけどぉ、産まないはおろすって事で……生きてる命、消す──えーそんな……。あう゛ー」 彼女は途中から、すっかり自分の思考に入ったようだ。また、独り言をブツブツと言いながら彼女は机に頭を“ゴンゴン、ゴンゴン”やり始めた。どうやらパニックになってるみたいだ。(わ、ヤベぇ。パニってる。落ち着かせねーと)「なまえ、なまえ。ゴンゴンするなって。少し落ち着こう。ほら、これ飲んで?」 肩を掴み引き起こす。おでこは真っ赤だし、目もウルウルとさせて視線を忙しくさ迷わせた。完璧に追い詰まってしまっているようだ。(何とかしねーと) お茶を渡して飲ませ、落ち着くようにゆっくりと背中を撫でる。「なまえ、ひとりで悩むなよ。な? 言ったろ。困った事は二人で一緒に解決しようって。それに──もしオレ達に子供が出来たら、オレが子供もお前も絶対守ってやる。そう誓ったろーが。忘れたか?」「ううん。覚えてるよ」「あのな、あれは嘘じゃねーぞ。だから、ひとりで苦しむな」「つーか、まだ分からないよね。うんまだ分からない。出来てない可能性もある。よし、とりあえずさ、帰りに薬局で妊娠検査薬買って検査してみる。病院はそれから──あ、急がないと薬局、閉まるか?僕、行ってる」 商店街の薬局で妊娠検査薬を買い彼女が帰って来ると室長が『気になるから今やってみろ』と追い立ててさっきトイレから彼女は紙袋を持ち戻って来た。「もう時間的に結果出てる。線が2本なら出来てる。1本なら出来てない。じゃあ見るよ?」みんなが固唾を呑む中、彼女が紙袋から妊娠検査薬を出す。線は1本だった。「はあぁーなんか疲れた」 彼女がため息とともにそう言ってぐったりと頭を垂れた。「ホンマに疲れたわー」「まあ、そういうこともあるよな」「大丈夫?おチビちゃん顔色悪いよ。色々心配したもんね」 明智さんと小野瀬さんが声をかけた。「まあ、今回は残念だったよねー」「でも、また次の機会があるわよ」 如月の言葉に室長が少し軽い調子で励まそうとする。彼女は皆の言葉に、力なく小さく会釈をした。「ありがとうございます……」 オレは、彼女の肩をそっと支えながら、室長に声をかけた。「今日はもう、早めに上がらせてもらっても良いですか?」「ああ、そうね。ゆっくり休ませてやって。必要なら阿久津先生の所へ寄って行きなさい」 小笠原が、彼女に声をかける。「チビ、何かあったら、いつでも頼ってね」「はい……ありがとうございます」 答えた彼女を促し立ち上がらせようとする。彼女は少しふらつきながらも、オレの腕につかまりゆっくりと立ち上がった。オレ達はみんなに見送られながら捜査室を後にした。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。