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● ○ ● ○ 何だか昴はぐったり疲れた感じだった。みんなを通して僕は追加で麺を茹でに席を立った。昴が直ぐに手伝いに来てくれた。彼は本当に優しい。「お待たせー。さあ、どうぞ」 うどんの出し汁を配ろうと、先ず如月さんに渡す。「おぉーこれか! チビの手打ちうどん」 あんまりオーバーに騒ぐので、思わず笑ってしまった。「ふふ。こんな物で良かったら、たんと召し上がれ。はい、小笠原さんお汁」「ありがとう。今、うどんってブームらしいね」「へぇー、そうなの。僕うどん、好き。ってか麺類大好き♪ おうどんも色々あるよね。シコシコのも柔らかいのも細いの太いの。美味しいよね」「フフン、やっぱり読みが当たったわ。近々だと思ったのよね。チビ助うどん」「ああ。穂積を信じて、通った甲斐があったねぇ」「え? もしかして最近我が家に押し掛けて来てたのは、なまえのうどん目当てだったんですか?」 昴も汁を配りながら、聞くと明智さんが申し訳なさそうに答えた。「ああ。実はそうなんだ。うどんの話を聞いてから、どうしてもチビの手打ちうどんが食べたくなってな。悪いと思ったんだが。度々お邪魔した」「何だ。言ってくれたら良かったのに。ねぇ? 昴」 昴にそう声を掛けると、彼も笑顔で『ああ。そうだな』と返し、僕の頭を優しく撫でた。 小笠原さんがそれを見て言った。「やっぱりはじめから、聞けば良かったね。チビならそう言ってくれる気がした」「そうかて昴がダメや言うかと思うて。なあ?」 藤守さんの言葉に如月さんが『ですよねー』と同調する。僕は、即座に否定する。「うん? 昴は、そんな事言わないよ。だって昴は、優しいんだもん。ねー? 昴」 けれど、彼の答えは予想に反してた。「いや、とりあえず一回はダメ、嫌だと言う」「ええ? ダメって? んー、そんな事言ったら可哀想だよ?」 驚く僕に彼はしれっと言う。「良いの。二人きりの時間が減るんだから、一回位は意地悪しとかないとなー」「えー。ふふ、ヘンなの。子供みたい……」(こんな彼も可愛い) そう、思わず思う。
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