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わーいと室長と二人で、さっそく食べようとする彼女に如月が一言。「夜、こんな時間にいっぱい食べると豚の元だぞ。だから、チビ、美容への意識はどこいったんだ?」「えぇー」 食べるのを躊躇して、彼女の眉が八の字になる。小笠原がくいっと眼鏡をあげて助け舟を出す。「確かに、夜遅い飲食は美容の面でも健康の面でも勧められはしないけど。一柳さんがその辺を考えない訳がない。見たところ、ちゃんと考慮してカロリーを抑えて作ってあるみたいだよ。それに、彼女はどちらかといえば痩せ過ぎにこそ、気を付けるべき体型だよ。この程度じゃ彼女は、豚にはならない」「そうや。それにやね、お嬢はそないにぎょうさん食べられる訳でもあらへん。すぐにお腹、いっぱいになってしまうやんか。ちぃーと位なら大丈夫や。美味しい食べたらええねん」「だね。おチビちゃん、安心してお食べ」「そうだ、そうだ。大丈夫。少し位豚になってもな、このチビバカ昴は[ふっくらしたお前も可愛い。さすが、オレの奥さん]とか言ってデレデレするに決まってる。ほらほら、つまんねえ事気にしてないで。チビ助、お父さんと一緒に肉食うぞ」「室長は少し位気にした方が良い。三十路なんだから」「うるせえ。小笠原、お前も食ってみろ。さっぱりして、そのうえ、とろーっとしてうまいぞ」 彼女がごくんとして、箸を持ち『いただきまーす』と食べた。『んんーっ! おいひー』と目を輝かせてほっぺを押さえた。隣でそれを眺めるオレの方を向き、嬉しそうな顔で笑う。「すっごーーく美味しいよ。こんな美味しいの、食べられて幸せ! 昴、ありがとう!」「ふふふ。気に入ったか?」「うん! 昴も食べて。あーん」 美味しいと笑い合う。こういう事を共有出来るって幸せだ。「あ、ねえねえ。僕はちょっとキラキラじゃないかもだけどさ、その分昴がキラキラ男子じゃん? 恋に、仕事、美容、ファッション、趣味、習い事に友人との遊びに一切手を抜かない人生を謳歌するひとのことでしょう? まさしく昴じゃん。えへへへ。僕、キラキラ女子じゃなくてもいいや。キラキラ男子がダーリンなら、それで十分、幸せだもーん」 そう言って笑う笑顔は十分キラキラしてた。そう思うのはオレだけじゃないようだ。「いや、お嬢は十分キラキラ女子やと賢お兄ちゃんは思うで。お父さんも、そう思いますやろ?」「そうね。ま、私の娘なんだから当然でしょ。ねえ、お母さん」「穂積にお母さんって呼ばれると、背中がムズムズするけど。同感。さすが、うちの子だ」「あー。小野瀬。なんかアンタがうちの子って言うとムッと来るわねえ。ねえ? まさにい」「え? ふふ。なんとなく分かります。それはやきもちですかね。しかし、チビは十分キラキラだぞ。なあ? 諒にい」「だね。だいたい俺達の自慢の妹なんだからさ。チビはキラキラ女子に決まってる。公にいの目が節穴なんだから気にする事ないぞ。チビ」 小笠原の言葉にみんなが大げさに頷く。焦る如月。「ええぇえぇー。なんか俺、輪からはみ出しちゃってません? のけものにしないで下さいよー」 叫ぶ如月にみんなが噴き出した。(こうしてると、本当に家族みたいだな) そんな風に素直に思える団らんの夜だった──。──ある日の飲み会 ①キラキラ女子。──End.
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