ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
──ピンポーン──「あ、お客さん」 直ぐに反応して、パタパタと行く彼女を呼び止める。「あ、ちょっと待て! イヤな予感しねーか?」「ん? なんか言った?」 遅かった。そうオレに聞きながらも、彼女は既に『……はい。ああ、いらっしゃい』と、インターフォンに出ていた。「あ゛ー! 遅かったか……」 彼女の口調に確信する。間違いなくあいつ等だ。オレはお邪魔虫の出現に、思わず頭を抱えしゃがむ。彼女はオレの声に振り返り、インターフォンへ『ちょっと待って』と声を掛け寄って来て、同じようにしゃがみ聞いた。「うん? どうした? あ、もしかして出たらダメだった?」「はあぁあぁ。いや。いいけど、やっぱりあいつ等だったか?」「うん、みんなだった」「あいつ等、この所しょっちゅう来やがる。なんなんだ、っんとに。よし、ガツンと言ってやる」 そうなのだ。この所毎日、あいつ等がやって来る。「ふふ。うどん足りるかな?」「いい。追い返す。あいつ等いたんじゃイチャイチャ出来ねーだろ」「えー、せっかく来たのに可哀想──」「可哀想なのは、オ、レ!」 ひとの良い彼女に代わって、インターフォンに出る。如月と藤守の声がわいわい響く。「こんばんはー! 来たよー! 開けてー」「やだ! 帰れ!」「ええー! 一柳さん、ひどーいー!」「ああ? 如月、ひどいのはお前等だ」 そう返してると室長の声が聞こえた。「あら、アンタ達。まだここにいたの?」「あ、室長 聞いて下さいよー。入れてくれないんですよー?」 如月の野郎が室長にチクる。「君たちは、完全に包囲されている。ムダな抵抗はやめて、速やかに……」「穂積、お前ねー。立て籠り犯の説得じゃないんだから」 小野瀬さんの声まで聞こえモニターに写った。 隣で一緒にモニターを見てた彼女が、ちょっとハラハラした様子で言う。「昴ぅ。エントランスで騒ぐと、ご近所迷惑になるよ? うどん足りそうだし、上がってもらぉ?」 確かに、彼女の言う通り。近所迷惑になる。オレはため息をつき、解錠した。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。