ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そうじゃ無きゃこの男が、表で冷静さを無くさない。そう考えた上で、推測出来るわよ。昴はチビバカでしょ。もしもチビ助の危機でその場を逃れるなら、もっと丁寧な運び方をするわね。たとえば、そうねえ。よくやるお姫様抱っことか、ねえ。米俵みたいに担ぐなんて気持ちに余裕のない表れでしょう」「なるほどー」 納得する如月達。「アンタ達、刑事なんだからね。もっと頭使いなさいよ。にしても、昴のそのヤキモチ妬きには、困ったもんねえ。だいたいねえ、昴。チビ助はアンタに負けず劣らず、昴バカなのよ? おいそれと浮気なんてする筈無いでしょう? 本当に、アンタ達は。私に心配ばっかり掛けないでよ。如月より先に、ハゲたらどうするのよ」「えー! 室長ーそれはひどいですよ。俺、気にしてるのにー」「しかし、その担ぎ方は怪しいな。チビじゃないが、俺も見たら職質をする。これが流行ってるのか?」「いやいや、明智さん。これは流行りまへんやろ。街中で見たんは、チビ達の一度きりでっせ」(藤守……頼むから、もうオレ達の件から離れてくれよ。これ以上言われたら、バツが悪くて仕方ねー) 内心、ヒヤヒヤする。──と、彼女が袖をツンツンと引っ張り『お茶入れ手伝って』と給湯室へ顔を向けた。『ああ』とホッとしながらカップをトレイに乗せ動き出す。給湯室の手前、人目がなくなると隣から『クスッ』と笑う声がする。その声に見れば、片手でネクタイをクイッと軽く引っ張られた。自然に屈む体勢になったオレに、ちゅっと彼女のキス。離れ際至近距離で『可愛い。大好き』と彼女の唇が小さく呟いた。突然の事に、少し呆気に取られポカンとしてしまった。もう一度『ふふ』っといたずらな笑顔を浮かべる彼女をポカンとしながらも(可愛い)と頭の片隅でなんとなく思う。「♪~♪~」 彼女は満足という風にオレから離れると、楽し気に小さく鼻歌を歌いながら給湯室へと姿を消した。(からかわれてる。全部お見通し、だな。……ったく、今日もうちの奥さんには完敗だ) 頬をゆるめながら彼女の後を追った──。──お米様だっこ。──End.
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。