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──お米様だっこ。── 昼休み。如月が言い出した。「ねー、ねーみなさん。お米様抱っこ、ご存じですか?」「お米? 如月、今アンタお米って言った?」「なぁに? 言い間違い?」「お姫様やあらへんの?」 室長、小野瀬さん、藤守がそう言うと、如月はふふーんという顔つきでオレにふって来た。「いえいえ。言い間違いじゃありませんよ。一柳さんは知ってます? お米様抱っこ」「ああ。知ってるぞ。米俵担ぐみたいに肩に乗せんだろう」「おお。さすが、モテ男ですねー」「肩に担ぐの?」 聞く小笠原に頷く。「ああ。こうやって」 百聞は一見にしかず。隣にいた彼女をひょいっと担ぐ。『うわぁ』っと彼女が驚く。「あ、この光景見たことあるわ」 藤守が言う。肩の上で彼女が答える。「そりゃ、あるでしょ。藤守さん*あんとき居たもん」 如月がすかさず聞いて来る。「あんとき居た? あんとき? 何? 何?」「ん。色々ありましてー、ある場所から急いで離れるのに、こうやって運ばれたんだよ。その時、たまたま藤守さん居たの。ねー昴ぅ」 からかい気味な声で彼女が言うのに(この展開はちょっとまいるな)と気恥ずかしく思いつつ『ああ』と頷く。今は、ポーカーフェイスを崩しちゃダメだと分かってるのに、顔が赤くなりそうだった。「昴、何でも良いけどさー。ご飯の後だけに、この状態でいるのはちょっとキツいんですけどぉ」「あ、悪りー」 彼女をおろしながら、ポーカーフェイスでいるつもりが慌てたのが顔に出たのか、彼女と藤守が笑う。「米担ぎねえ。それやったの、庁内じゃないわね? 耳に入って来ないもの」「俺もその情報、掴んでない」 室長と小笠原が言う。「出たー」「捜査室の地獄耳センサー!」 藤守と如月が騒ぐ。彼女は平然と言う。「表。こん中じゃ、見てたのは藤守さんだけー。知る筈ない。言ったのも初めてだしねぇ。幾ら二人がスゴくてもさ。そこまでアンテナ広く、何でも知ってたら怖いよ」「アンタ、何平然と言ってんのよ。やだわ。表なんて。そんなの、職質されるわよ。職質」「確かにねぇ。僕でも、やっぱり職質するだろうなあ。一見して、誘拐か何かかと怪しむね。この絵面ならねぇ」「チビ助、他人事のように言ってんじゃないわよ。あ、まさか職質されなかったでしょうねえ?」「されないよぉ。短時間だったからセーフ」「全く。表であんまり度の過ぎた派手な事は、やめてちょうだいよ。大方、昴がメラメラ大王にでもなったんでしょうけどね」「え? 何で分かりますのん?」「あら、藤守は見てたのよね? という事はやっぱり当たりなのねえ」 何だか、バツが悪い展開になって来た。*Leave My Kitten Alone!のエピソードです。詳しくはそちらを、お読み下さい。
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