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なまえの歌声がキッチンに響く。聴いた事のない歌だ。「作ろ~作ろ♪ おいしい~おうどん♪ ふみふみ~おうどん~♪ 作りましょ~♪」 子供が歌いそうな歌を楽しそうに歌う彼女に思わず笑ってしまう。「ププッ……何だ。そのうた」「ん? へへ、僕のオリジナル即興うどんのうた?」 ちょっと恥ずかしそうに笑いながら言う彼女。「黙って踏んでてもつまんないじゃん? 楽しく作った方が美味しくなりそーでしょ?」 彼女らしい考えだ。それに楽しげな彼女が、ちょっと可愛い。 前にした約束通り、今彼女は粉から、うどんを作ってくれている。(食べたら楽しくなりそうだな) そう思い、穏やかな時間に二人して、自然と笑みが浮かぶ。「フフ……ま、楽しいのは、伝わって来たよ」 「ふふ……。さて、後は一、二時間寝かせて、最後にもう一度踏んで伸ばして切るんだよ」「じゃあ、一、二時間あっちで遊ぼうか? 録画した映画でも観る?」「うん!」 ● ○ ● ○ そして、お茶をしながら映画を観てほぼ二時間後、彼女はもう一度うどんを踏んだ。オレは付け合わせの天ぷらなんかを作り、彼女は麺汁を作ってる。「さ、さつま揚げも天ぷらも出来たぞ。後は、うどんが茹だればOKだ」「薬味もOKー。あ、手作り初挑戦のめんつゆ……こんな感じ? ねぇ味見して?」 渡された小皿を受け取り味見する。「どれ。……ん、悪かねーけど。もう、ちょっとかな……」 ほんの少し手を加える。「ほら味見してみ」 オレから受け取り、今度は彼女が味見。口にしてパァーと彼女の顔が輝く。彼女は、こういう反応はより素直に表情に出る。旨かったらしい。「へぇー味が良くなった。スゴい。さすが! 僕はいつも市販のめんつゆだったけど、こっちのが断然、旨いね!」「あ? 当たり前だろ? オレがついてて不味いワケがねーだろ」「あはは。そうだね。あ、そうだ。うどん、いっぱい打ったから残ったのは、分けて冷凍しとこうか?」 彼女がそう言った時、来客を告げる音が響いた。
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