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──雪女。── この冬は暖冬だとよく耳にすると思ったら、大寒をむかえる辺りから急激に寒さが厳しくなった。つい先日には、東京にも初雪が降った。大雪になると、応援要請が来てかり出されるかも知れない。降雪中の任務には*良い思い出がない。今回も、呼び出される事になるだろうか? と心配したが、大丈夫だった。 夜、帰宅して晩の用意をしようとキッチンに立つ彼女は、とても寒そうだった。『今夜はオレに任せろ』とブランケットとホットココアを用意して休ませた。 今夜は何か温かいものをと、豚肉と白菜のミルフィーユみぞれ鍋に熱燗を用意した。みぞれ鍋は旨いがちょっと簡単料理なので、大根おろしをくまちゃんの形にして風呂にでも浸かるみたいに中央に盛った。 こんな寒い夜に冷え性でくまちゃん好きのオレの愛妻が、喜ぶメニューだ。 彼女の喜ぶ顔を想像しながら、いそいそと運び取り分けて、ふぅーふぅーしてから渡す。「はい、姫。どーぞ」「ん、ありがと──あちーっ! ダメだ、持てない。悪いけどここに置いて?」「ああ」(んん? 持てない程熱かったか……? 多少、冷ましたよな? おかしいな)「熱かったか? 火傷してねーか? 手、見せてみ。うわっ! お前……何、この冷たいの。氷でも触ってたみてーだ。ん? お前、顔に赤みが全くねー。冷え冷えだよ。大丈夫かよ?」 覗いて見たら彼女は、赤みを無くし真っ白な顔をしてた。*あの大雪の時を思い出させて、内心焦った。「んー。何だか、寒くてさー」「そんなに凍えてんなら、呼べよ」「だってぇー悪いと思って……」「ばか。オレに遠慮すんな。貧血にもなってそうだな……とりあえず、身体あっためないと」 彼女を持ち上げて膝の上に抱き、身体を擦って暖める。「あぁ、あったかい……」「お前、肉が減った分寒いのがダイレクトに響くんじゃねーの? 贅肉も多少は必要だな。お前は無理すっとお腹壊して、あんまいっぱい食えないからな。そのわりに忙しいし、身体動かす量は多い。だから、身が細らないように保つのがやっとだもんな……困ったよな」「んー筋肉はあんま落ちてないよ」「知ってる。トレーニングは続けてるもんな。趣味のダンスも。なあ、ダンス少し休む?」「えーやだ」「いやか。だよな。楽しみだもんなあ」「でも、もっとぽちゃぽちゃ柔らかいのが良いなあ。この前言われたもん。女の子は柔らかいのが気持ち良い。最近のチビは柔らかくなさそーって。はぁー」「あ? 如月か? 気にすんな。お前だって戻そうとして、一生懸命食ってるんだしさ。そうだ。やっぱりオレの部屋からこっちにこたつ持って来よう」「えーダメだよ。あっちエアコン無いし。すぅが寒いじゃん」「オレは大丈夫。つーかさ、一人でこたつ入んのも寂しーんだけど?」「そう?」「うん。いいよ。冬の間はここで過ごす。じゃあ、さっそくこたつ持って来るよ。ちょっと待ってろ」「あ、僕も行く」 二人でこたつを運ぶ。大雪の中で。のエピソードです。
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