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──特別で、専用の。── ソファーで膝枕に彼女を乗せ、本を読む。まったり、のんびりした秋の夜。もそっと彼女が動き『ん?』と視線をやると目が合った。何か言いたそう、あるいは遊びたそう、言ってみたら──今にも、じゃれつきそうな猫みたいな顔に見えた。思わず笑ってしまい、試しに猫をかまうみたいに手を動かしてみた。 彼女はオレの思惑をすぐに察してノってくれた。『うにゃ!』と言いながら猫手にした両手でオレの手をパシッと挟む。「あっははは。お前、猫みてー」 笑いながら、前に屈んでちゅっと口づける。「ふふ。だって、すぅくん猫を相手にするみたいに手、動かすからさ、ノってみましたー」 笑い合い、軽いキスを繰り返す。「仔猫ちゃん、どうした? 何か話したかった?」「ん、ねぇ、ちょっと聞くけどぉ」「うん」「今まで、昴を[すぅ]って呼ぶひといた?」「んー」「お義父さんと室長は昴でしょう? トメさんは昴坊っちゃん、源ちゃんは昴ちゃん、くまさんは王さま? 凛子さんは一柳、結菜姉は昴さん──他のひとは?」「そうだなー……。母さんは、昴とか、昴ちゃんとか、昴くん、だったなー。──うーん。考えてみるといない、かな。何で?」 彼女が『へへへ』と笑う。「だよね。昔のぉ……お相手? のぉ、矢島さんや蘭子さん、その他の美女さん達も知ってる限りじゃ[昴]呼びだったもん。[すぅ]は、僕だけだ♪」 そう言ってすごく嬉しそうに笑った。「嬉しいんだ?」「うん、だって僕だけの特別な呼び方だよ? えへへ。ねぇ、もしも、たとえば僕と別れてもずっと[すぅ]も[すぅくん]の呼び方も僕専用だからね。他のひとに呼ばせたらダメだよ? 約束」「ふふ。ん、分かった。約束な。ほら、約束のキス──」 彼女にキスして唇を放し、念を押した。「約束はするけど、別れる事はないからな」「ん、僕も別れたくない。すぅは、呼び方だけじゃなくてすぅ自身も僕のだもん。特別で、専用、なの。愛してる」「オレ専用のお前の呼び方も考えようかなー。特別で、専用の。オレも愛してるから特別がいい」「んふふ。すぅ、僕はね、君専用だよ。……ねぇ。キス、しよ」「ん……何度でも」 唇を重ね、離れぬように指を絡め合う。 君と過ごす秋の夜長は、まだ終わらない──。──特別で、専用の。──End.
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