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● ○ ● ○ そして、九月十四日。オレの誕生日で、初の結婚記念日。彼女には何もしないと言ったが、こっそりディナーの下ごしらえはしといた。彼女にプレゼントした花をテーブルに飾り、二人でディナー。「あのーぉ、すぅ?」「ん? 次はどれが良い?」「じゃあ、お豆腐のオードブル」「これ気に入った? あーん」「うん、美味しい。あーん」「良かった。ホットアップルサイダー、飲む?」 頷く彼女にふぅーふぅーと冷まし飲ませる。「あ、ホットアップルサイダー、お酒入り?」「うん。ラム酒を入れてみた。どう?」「じわっとあったまるね。すごく美味しいよ。後でおかわりしたい」「ふふ、いいですよ。姫の為なら。後程、ご用意致しましょう」「ふふ、ありがとう。ところで、すぅ。僕、隣に座った方が良くない? これじゃ君、食べ難いでしょう?」「ダメでございます。今宵は姫を放しません。姫は、わたくしのお膝にいらして下さい」「重くない?」「ああ。軽い位……ともかく今夜は、オレがぜーんぶやってやるから。お前は、赤ちゃんにでもなったつもりで世話をやかれていなさい。そういえば、源次郎がベイビーちゃんって呼んでたよな? 今夜は、オレもそれで行こう。ほーらベイビーちゃん」「……あのぉ、からかってるとかなの?」「んーというか、ひっついていたい? ──かなぁ。何て言うかさ。戻って一ヶ月位になるけど。あっち行ってる間、一切連絡が取れなかっただろう? その反動か、最近無性にお前の存在を感じていたくなる時があんだよな。ヘン、かな? やっぱ」「ヘンじゃない。そっか。分かったぁ。今夜はすぅに、ぜーんぶやってもらうー」「……引かねーんだ?」「うん? 誰でも寂しい時や甘えたい時、ぬくもりが欲しい時は、あるもん。それに、僕も君とくっつくの好き。君の誕生日だし、リクエストにお応えしますよ。ちょっと恥ずかしいけどねぇ。えへへ」 はにかみながらちょっとおどけて言う。「お前は、優しいな。ありがと」「ダーリンも、いつも優しいですよ。おかげで幸せです。ありがとう。そうだ。Happy Birthday to You 歌う。聴いてて? Happy Birthday to You~♪」 彼女はHappy Birthday to Youを歌ってくれた。そして一緒にグラスを持ち『すぅくんの誕生と健康に感謝して。そして僕達二人の日々に、乾杯!』と乾杯をした。「プレゼントが無いんだよねぇ。それが君の言い付けだったから──うーんー。そうだなぁ……では、僕の愛を。すぅ、これからも元気で、ずぅーっと僕の傍に居てください。おめでとう」 そう言って彼女がキスをくれた。「ありがとう。一番のプレゼントかも……愛してるよ。奥さん。これからもよろしく」 引き合うように唇をまた重ねた。(オレ達には何よりもきっと──お互いが、一番のプレゼントに違いねー) そう思いつつ誕生日と記念日の夜を、愛しいひとと過ごした──。──ホットアップルサイダーと記念日。──End.
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