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勢いにびっくりした様子の室長と小野瀬さんの顔。それから、机に突っ伏す彼女だった。「あら、お帰り昴」「お帰りなさい。遅くまでお疲れ様でした」 オレを迎える室長と彼女の声につい、ポカーンとしてしまう。「お疲れ。打ち合わせ、長かったわね。なんか揉めたの?」 自分のデスクからそう聞く室長に『はあ』と何とか頷く。「あ、飲み物、淹れて来るね。疲れてるだろうからブラックよりカフェオレとか甘いが良いかな。今すぐだから、待っててね」 彼女はそそと立ち上がりオレの飲み物を用意する為に、給湯室に急いだ。 オレの想像とは、全く違う現状だった。考えてみれば当たり前だ。(職場でしかも、三人でなんてあり得るワケがねー。オレ、もしかして欲求不満なのか?) そんな事を考えてるとソファーで珈琲を飲んでた小野瀬さんが、プッと笑い出す。「あっははは。昴くん。もしかしてキミ、良からぬ想像をしちゃったのかな?」「あ? 小野瀬、良からぬ想像って何だ?」「いや、彼女がセクシーな声出してたからさ。俺達と乱れる所、想像したのかなーって」「あ゛あ? チビ助が俺達二人相手に、定時過ぎとはいえ、職場でか?」「ああ。そういうの想像して、心配したのかと思ってさ」「そんなAVみたいなこと、ある訳ねえだろう。ましてや、あのチビ助が? バカか。あいつに、手なんか出してみろ。ぶん殴られんのが落ちだ。そんな想像な、AVの見過ぎか、欲求不満のどっちかだ」 その言葉に思わず顔が熱くなる。彼女がカフェオレを持ち、戻って来た。『何、そんな所に突っ立てんの?』とカップを机に置くと、オレを向かえに来た。手を取り引っ張って行きながら言う。「ねぇ、ねぇ。掛けて、掛けて。丁度良かった。これ、室長に借りたんだけどね。めっちゃ気持ち良いの。昴にも体験させてあげたかったんだぁ。ほら、ほら、やってみて」 彼女が座ったオレにマッサージ機をセットして、後ろから覗き込み聞いて来る。「僕がやるより気持ちいい? なんならうちもこれ、買おうか? どう? 気持ちいい? 疲れ取れる?」「んー、これはかなり気持ち良いな。……気持ち良いけど、でもオレはお前がやってくれんのが、一番気持ち良いな。リラックス出来るし、あの時間が無くなるのはいやだ」「そう? なら、僕がやる」 小野瀬さんが言う。「何? 昴くんは、いつもおチビちゃんのマッサージ付きリラックスタイムを過ごしてるの?」「ん? でも昴も毎日のようにマッサージしてくれるよ。すっごくうまいの。でも昴、疲れてるのにちょっと申し訳ないなって思って。このマッサージ機なかなか気持ち良かったし、これなら一人で出来るよね。これあったら、昴を煩わせない。……やっぱり買おうか? 僕用に。室長、これどこで──」 聞き掛けた彼女を止める。「いいよ。オレがやってやる。煩わしいなんて思った事ねーし、そんなの遠慮すんな。ところで、お前、また凝ってんのか?」 引き寄せ、肩を軽く握ると凝ってた。「あーあ。肩、コリコリじゃねーか。つーか、足もパンパンになってる」「チビ助は、最近より一層頑張ってるから疲れたまってるのねえ」 室長も言うように彼女は通常任務に加え、新プロジェクトを任されたオレのサポート業務もせっせとこなし、まさに身を粉(こ)にして働いている。身体だってバリバリにもなるってもんだ。「よし、帰るぞ。風呂入って身体あっためてから、マッサージしてやる。少しでも、たまった疲れ取んないとな。帰ろう、帰ろう」「ん、じゃカップ洗って来る」「良いわよ。たまには私がやっとくから、チビ助は、昴と早くお家にお帰りなさい。二人とも、気を付けて帰るのよ」 オレ達は挨拶をして、捜査室を出た。
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