ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
── 取り調べ。 ── 彼女が、ぐったりした様子で戻って来た。「相変わらずか?」 オレが声を掛けると『ん』と短く答える。後から続き入って来た藤守がやっぱり疲れた様子で室長の元に行ながら『あかん、あれはあかんですわ』と溢した。「ったく!」 思い出しイラッとした。「ちょっと昴、また怒んないでよ? アンタがイラつくから藤守と代えたのよ? 全くアンタは普段クールなのにチビ助が絡むとメラメラ大王になるんだから。ま、イラつくだけで我慢したのはまだ良かったけど。アンタ、キャリアなんだからね? 取り調べ中にキレて暴力なんてシャレにもなんないわよ? 今は大昔と違ってヤバいのよ。そういうの」「えー。一柳さんが珍しいですねぇ」「それがな、如月。チビが女の子と分かった途端に写真取り出すわ。大変だったんや。終いに握手してくれとか言い出してなあ」 彼女が思い出し、ちょっと身震いした。あれはかなりしつこかった。終いには言葉だけでなく彼女に触って来やがった。「あの野郎。無理矢理、手握って離さねえんだ。ったく、オレの女房に何すんだ。ムカつくったらねー。後で、もっとよーく洗わねえとな」「ああ、それでキレちゃったんですか」「握手? チビ助迫られたの?」 彼女がちょっと嫌そうな顔で頷くと、室長がため息をついた。「そうですわ。かわゆすとか俺嫁にしたいとか騒いで」「はあ? 俺嫁? かわゆす? なにそれ」「室長、知らないんですか? ってか、もしかして皆さんも知らない? チビも?」 彼女が頷く。「かわゆすは可愛いって事で、俺嫁って嫁にしたいくらい可愛いって言う意味じゃなかったでしたっけ?」「まあ、そんな感じだと思うけど。普通、現実ではあまり使わない」「そうですよね。あんまりリアルで使わないですよね」「え? 小笠原、如月。そうなん? 使ってたで? なあ?」「ん」「あら、完黙ではないんだ? 喋ったのね?」「それが肝心な事は全く。関係ない事はぎょうさん話しますわ」「それも、訳の分かんない言葉ばっかで、もはや日本語聞いてる気がしなかった。なんか疲れた」「チビ助でも分からないの? アンタ一番若いじゃない」「ちんぷんかんぷん。僕、そういうの疎いし」「ネットスラングなんてチビに分かる訳ないでしょ。チビはかなり、アナログ人間だよ」 小笠原が補足するように言う。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。