明智:まさか、王子達の警護とはなあ。
明智さんが言うと小笠原が彼女を見てから自分の片頬を、指でポンポンと叩いた。
小笠原:又、頬っぺたに傷、作ったみたいだけど、それで済んで良かったよ。
穂積:本当よね。チビ助、それ。痕にならないんでしょうね?
なまえ:掠めただけで深い傷じゃなかったし。もう、治り掛けてるから大丈夫ですよ。
明智:女の子が顔に傷なんて。本当に気をつけろよ? チビ。
明智さんが、ちょっと嘆かわしげに言う。
穂積:アンタは本当に。全く、チビ助は、目が放せないわね。このじゃじゃ馬娘は、どうしたら大人しくなるのかしらねぇ。
小笠原:それがチビだから仕方ない。
如月:小笠原さん、なんか妙に納得しますね。それ、……大人しいチビなんてピンと来ませんよねー?
藤守:せやな。如月くん。そんなん逆に心配や。
明智:それは言えてる。
明智さんが納得する横で、室長も頷く。
穂積:ああ。確かにねえ。それも、気持ち悪いか。じゃあ、チビ助。せめて、ケガをしないようにしなさいよ?
なまえ:はぁーい。
穂積:あら? ヤケに素直ねえ。桂木さんに鍛えられたのかしら? たまには外に修行に行かせるもんねえ。
なまえ:僕はぁ、元から素直なんでーす。
穂積:昴、こーんな事言ってるけど、何かあったんでしょう?
ニヤっと笑いオレに問い掛ける室長。そのカンの鋭さに、彼女が焦る。
なまえ:な、何で昴に聞くのさー! な、何もないもん!
『ふうーん』と言いながら尚もニヤニヤと笑う室長。
穂積:その割には、焦ってるじゃない?
なまえ:あ、焦ってないかいないよ。ふ、普通だもん。
もう焦ってるのは、バレバレだ。みんなが笑う。
藤守:チビ、あかんで?
なまえ:うん? 何?
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