そのあと暫くして、アルベルトさんが彼女に、光沢のあるシャンタン素材の上品で高級感のあるカクテルドレスを、オレに黒のタキシードを用意してくれた。メイドさんが彼女の着替えを手伝うと言ってくれたが、丁重にお断りしオレが着替えを手伝う。
なまえ:うわぁ、こんなの着た事ない。
大きいリボンがついたピンク色のドレス。彼女に似合いそうだ。
(さすが、王子の執事さんだけあって抜かりねーな)
気配りの完璧さに、感心する。オープンシルエットのレースビスチェや、フレアパンツ等の下着類からメイク道具まで、必要なものは全て揃っている。
ドレス、メイク、髪……腕に縒りを掛けて仕上げると彼女は、本当に眩しい位に可愛く綺麗で、他のヤツに見せたくなくなった。
オレも手早く支度をすると、彼女がポワンとした顔をして見てる。
なまえ:格好良い……。
そう呟き、何故かドギマギし始めた。
昴:ん? どうした?
なまえ:だ、だって格好良すぎて。ドキドキしちゃう。
昴:ふふ、顔、赤いぞ? 姫も、とても素敵ですよ。
引き寄せてちゅっと口付ける。
なまえ:はぅ……昴が素敵過ぎて。僕、心臓が爆発しそう。……きっと、またモテモテになるかもぉ。
昴:大丈夫、お前の傍、離れねーから。お前こそ見張ってねーと。こんなにキュートな姫だからな、かっ拐われたら大変だ。
なまえ:ふふ。心配いらない。僕はそんなにモテないよ。ねぇ、ドレスとタキシードで、なんか結婚式みたいだね。
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