なまえ:今までの経験上、痛い目見せてから恫喝しとくと報復される可能性が低い。その方が安全だから。
悪い事だと分かってるんだろう。顔が強張ってるし、何より今、彼女はオレの目を見られない。いつもまっすぐ見返して来る瞳が……。らしくねーだろうと、一瞬思う。が、そうじゃねーと思い直す。
彼女は誰かを守る為にはいつも必死だし、全力だった。時には自分の身さえ、平気で投げ出すじゃねーか。自分で背負い込んで、追い込まれて、必死になり過ぎて。方向を見誤ってるだけだ。
そんな風にさせちゃダメだ。……今回追い込んだのはオレ、だな。
(昴:もっと、しっかりしねーとな)
昴:なまえ、こっち見て、オレを見て。
彼女がとても不安気に、オレと視線を合わせる。
昴:……悪い事だって分かってるよな?
コックリと頷く。
昴:なら、オレと約束してくれ。そういう事はもうしないって。それと、頭に血が上ってキレそうになったら、一旦、深呼吸しろ。約束出来るな?
なまえ:……ん。
昴:じゃ、指きり。
指きりをするとおどおどしながら、ポツリと『ごめんなさい』と言う。
シュンとしてる頭を抱き寄せてた。
昴:オレもごめんな……ありがとう。
なまえ:……軽蔑した?
昴:しないよ。ただ、ムリするお前が心配だ……。約束守るんだぞ?
なまえ:うん。
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