なまえ:それとも……命より悪事が大事?もう一度言っとくけど、俺は大事な人守るためなら命でも何でも掛けるるよ?お前も命掛けで悪事働いてんの?
マリコ:じょ、冗談じゃないわよ。命のが大事よっ!あんた、イカれてんじゃない?
震えながら言う。ゾッとするような冷たい眼差しでにやりと口元に弧を描く。喉の奥から絞り出したような狂気をはらむ声でクックッと笑った。
なまえ:あ?イカれてるかって?だからそう言ってんじゃん。ぶっ壊れてるってさ。クフフッ……。でも、まー命が惜しいなら、忠告聞いて足洗えよ?
なまえ:もし、聞かねーで忠告無視すんなら覚悟しろ。分かったな?……分かったら返事しろっ!
マリコ:わ、分かったわ。約束する。
なまえ:ん?来たか。おい、今、 仲間 のSPの人達が来るから自首しろよ?良いな?
マリコが頷く。なまえを怯えるように見てブンブンと頷いた。
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(ヤバいわ。コイツは、マジ、ヤバい奴よ……。本能的に肌で感じる類いの危険を今、ビシビシと感じるわ。コイツは怒らせてはいけない部類の人間だわ。商売柄、たまにこういうヤツに出会すのよね。そして、こういうヤツ等に消された人間も何人も見て来てるのよ。洒落にならないわ!)
恐怖に冷や汗が流れる。
その恐ろしいレザースーツの悪魔はの私の傍を離れて行った。本当は自首なんかしたくなかったけど、消されるよりはマシ。命あっての物種よ。私を逮捕した桂木って警官は驚いてたわ。
後から自首した理由を、そいつや石神って公安のデカに聞かれたけど『悪事が嫌になった』で押し通したわ。そうしたら、『その怪我はどうした?かなりの怪我のようだが?』って。もちろん、本当の事なんか言わないわよ。『襲い掛かろうとして避けられてそのまま転んで打った【自爆よ】って言い張ったわ。あの悪魔には、これ以上関わりたくないもの。
本当に怖かったわ。この後、私、トラウマになったもの。ヘルメットやレザー、黒い色……を見るだけでゾッとして身体が震えるのよ。
……まあ、生きてられたから良かったけど。
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