穂積:(笑う)…なるほどな。
小笠原:誰だって、自分の彼女が男に誘われてニ人きりで行かせないでしょ。
如月・藤守:えっ、そんな前から?
小野瀬:5月ねぇ、じゃあやっぱりあの夜からかな。
藤守:え?あの夜って?
小笠原:歓送迎会。
如月:…はぁ。やっぱりな…でもあの日、チビは酩酊してましたよね。あっ!まさか、それに付け入って無理矢理─
藤守:(バシッ!)阿呆!それはチビにも、一柳にも失礼やで!それに一柳は、そないな男には見えへん。
大将:公平、お前はそうやって野暮天だから振られるんだ。
大将:あんなに仲良く幸せそうに寿司食べる客には近頃じゃなかなかお目にかかれない。
大将:私の見立てじゃ、ありゃあ惚れあってるね。公平、お前も、あの兄さん見習って惚れた女にあんな顔のひとつも、させてみな。全く…情けねえ。
小笠原:それにあの人、本当に真剣なんじゃないの。昨日も必死だったし。
藤守:ああ、昨日はびっくりしたわ。でもチビが無事でホンマ良かったわ。
大将:チビちゃんに何あったんですか?
如月:熱中症と貧血で気絶しちゃったんだよ。
大将:それで大丈夫なのか?
如月:ああ、今日は昨日より元気になってた。
大将:そうか、そいつは良かった。そうだ、公平チビちゃんお連れしろ。ちゃんとニ人でじゃなく、皆さんで来るんだぞ。旨い寿司を食べてチビちゃんに元気になってもらわないとな。
小笠原:彼女、夏の間は無理じゃない?
大将:え?そうなんですか?
小野瀬:ああ、なんて言うか夏に弱い体質…でね。
大将:そうですか…。でも…きっとチビちゃんなら、それにも負けず、暑い中頑張ってるんでしょうね。こりゃ私も負けちゃいられないな。
穂積:大将、そうだな…少し涼しくなった秋にでもまた頼むよ。
大将:へい!その時は腕に寄りを掛けて握らせて貰います。
小野瀬:しかし、今日のなまえ君の変身には驚いたな。いつも通りのパンツスーツだけど、大人っぽくて綺麗で。
藤守:ホンマですね。大変身ですわ。
如月:チビ、普段は仔犬系な可愛い感じなのに、今日はどっちかっていうと猫系で妙に色っぽかったですよねー。
藤守:…なんで如月が言うと、危なく聞こえるんやろ。
小笠原:セクハラ。
如月:えーじゃあ、みんなは色っぽいと思わなかったんですかー?どうなんです?室長。
穂積:まあ、綺麗だったな。
小笠原:女性は恋をすると綺麗になるっていうからね。
穂積:だな。
藤守:ああいうのエロ可愛いっていうんやろか?
如月:あ、そうだ。俺、頼んで一枚だけ写メ撮らしてもらったんですよ。
藤守:ホンマか、見して。なんや、綺麗やけど、一柳も一緒のカップル写真やん。
如月:しょーがないじゃないですかー。いつも一緒でガード固いし、
小笠原:さすが元SP。
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