「さあ、姫。パジャマ着てしまいましょう」
「昴、パジャマ、買ってくれたの?」
「ああ。肌触りがよくてなまえに似合いそうな可愛いのを選んだんだけど、気に入った? ふふ……よく似合うぞ。なまえはシャンプーハットからパジャマまでなんでも似合うのな。さて、次はご飯だ。ご飯も食べさせてやるからな」
「ありがと……で、でも食べられるかな?」
「よし、とりあえず食卓に移動するか」
テーブルについてさっそく、ちょっと身構えてる彼女。
「ふふ。なまえ、そんなに緊張すんな。あのな、いきなり普通に食べるのはキツいだろうと思っていいもん作ったぞ。今日はスープにしたんだ。残しても良いからとりあえず一口、味見してみな。ほーら、あーん」
「あーん。うわぁ、冷たくて美味しいね。冷たいスープいいね。この味はぁ、じゃがいも?」
「ビシソワーズだよ。じゃがいもとねぎと生クリームの冷たいスープ。旨いか?」
「うん。美味しい! 僕、これ好きぃー」
「そうか。じゃあ、又作ってやるよ。ほらお口あけて。あーん」
「あーん。……ねぇ、自分で飲むよ? 昴、ご飯食べられないじゃん」
「良いんだよ。オレがしたいの。お前の世話焼くの楽しいんだよ。オレから楽しみをとるんじゃない。あーん」
「あーん。ありがと」
「どういたしまして」
そうやって、彼女にスープを飲ませていく。
「ほら、これで最後。全部飲めたな。大丈夫そうか? 」
「うん、気持ち悪くなってないよ。とーっても美味しかった」
「なら良かった。プリンも作ったんだ。食べてみるか?」
「うん」
今度はプリンをひとさじすくい『あーん』と口に入れてやる。
「あーん。わぁ、これも美味しい! お店のみたい」
彼女が笑顔になる。プリンも好きみたいだ。
「もっと食べてみるか?」
「んー、いきなり沢山食べるとあれだからごちそうさまにする」
「じゃ、お薬飲んどけ。眠れないんだったら、寝るお薬飲んでも良いぞ。もし朝起きれなくてもオレが支度させて連れててやるよ。安心しろ」
「ありがと。じゃ、眠れなかったら飲むよ」
「なあ、今夜はオレが子守唄でも歌ってやろうか?」
「そういえば昴の歌聴いた事なかったなあ。うん、聴きたい! 約束ね。寝る時が楽しみだなー」
子供みたいに、にこにこするのを見ると本当に楽しみらしい。子守唄くらいでこんなに喜んでくれてるんだなと思うと、オレもなんとなく嬉しくなって一緒に笑い合う。
楽しい雰囲気の中で夕食を済ませ少しのんびりとくつろいだ後で、寝室に彼女を運ぶ。約束通りベッドで子守唄を歌い髪を撫でてやる。
「昴、優しい歌声だ。僕ね……昴の声、好きだよ。ああ、本当に幸せ……ねぇ、もっと歌って?」
おねだりする彼女に微笑んで髪を撫でながら、もう一曲歌ってやる。彼女はまぶたを閉じ聴いているみたいだったが、やがてすぅすぅと寝息をたてはじめ、眠りに落ちていったようだ。穏やかな寝顔を見てると、なんだかオレも癒された。とても、穏やかでやすらぐ夜だった──。
3。+α
──やすらぎの夜。──
End.
4。(台本書き)へ続く。
*ご注意*
現在、本編を始めとする作品の書き方を少しずつ直していますが、ここまでが書き直し済です。次の4。から20、までは、まだ直しが終わってないので台本書きです。台本書きがお嫌いな方の閲覧の際は、ご注意下さい。
直しは、新作作成の合間にやっているので、どうしても時間が掛かります。お待たせしてすみません。