3。続き
──ラベンダーバスタイム。──
『さてと……』と呟き、彼女をひょいとお姫様抱っこをした。オレの首に掴まり、腕の中から彼女が聞く。
「ん? もう横になった方が良い?」
「んー? 眠たいか?」
逆に聞き返すと『ううん、全然』と返事が返る。
「そうか、なら行くぞ」
「どこ行くんだ?」
首を捻る彼女を可愛いと思いながら廊下を歩く。
「?んー? それはー……ここだ!」
バスルームのドアを開ける。
「ん お風呂?」
「ああ、洗ってやる。ご飯の前にサッパリしよう」
そう言って目元にキスする。
「ふふ……くすぐったい」
「んー
なまえってくすぐったがりだよな。ふふ、こちょこちょ、こちょこちょー」
恥ずかしいと逃げそうだから、有無を言わさず逃げる間も与えずに作戦通りに、降ろした彼女をからかいくすぐって笑わせてる間にあっという間に脱がした。自分も手早く脱ぐと又
なまえをお姫様抱っこして脱衣場から浴室に入る。彼女はちょっと身を縮め赤くなる。立ち止まり『ん?』と彼女を見る。
「なんか久しぶりだから……恥ずかしい」
「だよな。三週間……ぶり?」
「ん、その位ぶり」
「あーぁ、誰かさんにお預けくってオレも、よく耐えたよな。ご褒美くれ」
「いいこ、いいこ。……んっ……」
オレの頭をいいこいいこして微笑むと、彼女がオレにご褒美のキスをくれる。
「ありがとう。すげー嬉しい」
微笑みあうと、彼女は目を閉じちょっとくんくんした。それから、くりっとした瞳をオレに向ける。
「ねぇ、なんかお風呂、良い匂いするよ。これ……ラベンダー?」
「ああ、ラベンダーは安眠効果があるからな。気に入ったか?」
中に入って行くと、湯船のお湯が見えたらしい。
「うん。お湯も綺麗な紫色で、ステキだ。ありがとう! 昴」
ちゅ、ちゅっとオレの頬と唇にまたキスをくれる彼女。
「ありがとうのキスと、愛してるのキスだよ」
はにかんだその笑顔やその行為を可愛いと思う気持ちと嬉しさが胸に湧き、オレも相好を崩し笑みを浮かべた。彼女の頬に唇を触れ『オレも……ありがとう。
なまえ』とささやいて、彼女を見つめ優しく口づけた。すぐ放すつもりが、合わせた唇がやわらかでぷるんとした感触が心地よく放し難くなる。求める気持ちが強くなり自然と彼女の舌を絡め取りくちゅり、くちゅりと長めのキスに酔う。
「……んっ……んっ……」
彼女からは鼻から抜けるような甘い吐息が漏れ始めた。まだ放せずに続けると、彼女が弱々しい手つきでオレに触れポンポンと叩き合図する。唇を開放し『ん?』と見れば、上気しとろんとした顔で言った。
「あ、あのぉ……これ以上すると僕、掴まってられなくて落っこちちゃうかも」
と、言う間にもくたっと力が抜ける。オレは落とさないようしっかりと腕に力を入れる。
「大丈夫、落とさねーよ。力、抜けちゃったか」
オレの言葉に彼女はちょっと恥ずかしそうに笑う。身をオレに預け、腕の中に収まる彼女はなんだか仔猫みたいで可愛い。