後から来たヤツにゴニョゴニョと耳打ちすると、ソイツは彼女に小さく頭を下げ周りの奴等に『お仕事の邪魔だ!引けっ!』と鶴の一声で叫ぶと、一部の者がサッと荷物の片付けを手際良く手伝い、それ以外の連中は最初のように礼儀正しく整列し『お疲れさまッス!』と、頭を下げ送り出してくれた。
小野瀬:……君、何て言ったの?
なまえ:ああ、始めの奴に頭 連れて来いって。で、連れて来た奴に忙しいからもう帰るぞって。それが一番早いと思って。
その返答を聞き小野瀬さんは『最高!』と手を打って腹を抱えて笑いだした。
彼女は横目でチラリとその様子を見ると やっぱりという顔をして小さくため息をついた。
昴・なまえ:ただいま戻りましたー。
穂積:はい、お帰り。お疲れさま。あ、昴、帰って来たばかりで悪いけどちょっと付き合って。
そして、室長からオレはある指令を受けた。
穂積:あのね、アンタ達が留守の間に、そこのホテルのプールの予約が取れたの。ゴールデンウィーク中やってるんですって。
昴:プール、ですか?
穂積:そう、屋外プールだけど水温が38℃位で温かくなってるらしい。
穂積:なんでも小笠原がコネがあるらしくてね。本当は夕方までなんだけど2時間貸し切りに出来たんだって。
穂積:まだチビ助の誕生日もちゃんと祝ってないから、うちと桂木班と黒澤達と真壁と。とにかくみんなでお祝いする話になった。2時間だからプールで飲み食いする時間はないけど、この前のバーも押さえたから2次会はそこに行く。
昴:はぁ……。
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