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● ○ ● ○ そして夜、帰宅途中の車の中。助手席から彼女に呼び掛けられる。「ねぇ、昴ぅ」「ん? ツラいか?」「ううん、大丈夫。そうじゃなくて、僕ん家じゃなくて昴ん家に行くの?」「ああ、お前見てねーと無理ばっかりしやがるからな。二十四時間、見張ってる事にした。これからオレは、お前の専属SPだ」 そう言うと、彼女がふわりと笑う。「それは頼もしくてステキだな」「このオレがフルタイムで専属SPなんてすげー事だぞ。感謝しろよ」 オレも笑いちょっと冗談っぽく言って、助手席の彼女の頭に片手を伸ばしポンポンした。「ふふふ。うん、感謝してるよ」 嬉しげに笑う彼女。そして、なにやら言い掛ける。「でもねぇ……僕ぅ」「ん? なんだよ? オレじゃ不満か?」「ううん。不満じゃないよ。けどね。やっぱりぃ、僕はSPより二十四時間、恋人の方が良いなぁ。えへへ……だってSPじゃキスしてもらえないじゃん」 照れながら彼女が言う。「…………」 オレは、ハザードランプを出し車を路肩に停める。「えっ? あ、ご、ごめん。嫌だったか……」 恥ずかしそうに彼女が一旦俯く。そして、また顔を上げて照れ笑いしながら言った。「えへへ。僕、ちょっと恥ずかしい奴だっ──」 その言葉を途中で、キスで塞いだ。「……っん……」 唇を離すとそのまま彼女を引き寄せ、自分の胸に頭を抱いた。胸がドキドキとときめいて、余裕がなくなる。「お前、急にあんまり可愛いこと言うな。我慢出来なくなる」(うわーマジかよ。オレってば、完全にノックダウン寸前だぜ。彼女にのぼせて、舞い上がってる) ガキみたいに焦って全く余裕のない自分に、恥ずかしくなり頬が熱くなる。少しでも冷静になろうと片手で顔をこすってみたり、小さく深呼吸してみる。「あー、本当にお前にはドキドキさせられる」 余裕がないせいで格好つけていられずに思わず、本音が出てしまう。「本当だ。昴、すっごいドキドキ、ドキドキってしてる。…………。ねぇ……なんかさ昴って良い匂いだね。……僕もドキドキして来たよ」「っ!」 彼女がいきなり、そんなドキッすることを言ってくる。オレはますますのぼせて、カッカと火照って顔や身体が熱くなる。(あーまた突然の爆弾発言。天然だからたぶん、あんま考えてねーだろうな。しっかし、ドキドキする。のぼせて熱いぜ。オレ……きっと今、赤くなっているな。あーでも今は、落ち着かねえと)「……はぁあぁ。お前、お願いだから、これ以上オレを煽るな。もうギリギリだぞ」「………」 彼女も言ったはいいが真っ赤なオレを見て、いまさらながら恥ずかしくなったみたいだ。チラッと上目づかいにオレへ視線をよこし、真っ赤かになって黙り込んだ。(うっ、だからなまえ……。それが可愛すぎなんだって。やっべー。これ……理性が持たねーよ。た、たえろ。落ち着けーオレ)「と、とにかく、帰るぞ」「……うん。あっ! そうだ! 昴、でも僕、明日の仕度して来て無いじゃん。あのぉ、着るもの取りに僕ん家寄って欲しい……なぁ」(この状態で言うか? ふふふ……こういうところ、やっぱり天然だな) そんな彼女を可愛いと思いつつ、なんだかおかしくなってくる。ちょっとだけ理性が戻り余裕が出来た。「ああ、大丈夫だ。オレに任せとけ」 ニヤリと笑うと、彼女がきょとんとする。「ん、んん?」 ハテなマークを浮かべたような顔して、首を傾げてる。(ぷっ……ああして、キョトンと首傾げてると小動物みたいだ。やっぱり可愛いなこいつ。やべー。顔がニヤけそうだ……急いで帰ろう)「じゃ、帰るぞ!」 車を発進させ家へと向かった。
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