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「彼女、学生の頃にそれでバイトをクビになって生活費に困った事があってね。結局、私と秋月さんとで援助したんだけど、迷惑掛けたって気に病んで。それから本当にどうしょうもない時しか飲まないのよ。暑い時期に栄養も睡眠も足りてない。これは結構キツいわよ。それから、もうひとつ。昴君も知ってるかも知れないけど、あの格好。スーツは良いのよ。男物でもね。問題は……あのぐるぐるタオルと胸を潰してる下着なのよ。今の体調に良いわけがないわ。せめて夏の間だけでも楽な格好しなさいって言ってるのに。あの子ったら、いつもへらへらごまかして逃げちゃうのよねぇ」 その時のことを思い出したようで、ちょっと怒る阿久津先生。「全くもう! なまえ君ったら! やっぱり倒れちゃったじゃないの!」 ぶつぶつと、思案するように続ける。「スカートが嫌なら……パンツでも良いじゃないねぇ。女性用のパンツスーツとかじゃダメなのかしら? うーん……。女性用なら、タオルも締め付ける下着も要らない訳だし……やっぱり、身体の負担減らさないと毎日の事だからなあ。うーん……」 そして、思考から戻ると訊ねることを思い付いたように、室長に聞いた。 「穂積さん、それともアレかしら? 職業柄ああいう男の格好が良いとか、男性ばかりだからアレじゃないと困るのかしら?」[どうなの?]とでも言いたげな視線で、室長を見て答えを待つ。「いえ、そういう事はありません」「そう。なら、あの子の趣味って事ね。確かにねえ……。昔から男の子みたいな格好はしてはいたけど。あの下着もタオルもしてなかったのよねぇ。毎日、毎日、あんなに絞めて胸の形が悪くなったらどうする気かしら」 また、自分の思考の中に戻り、ぶつぶつとつぶやく阿久津先生。それを聞いて、隣から室長が小声でオレに聞いてきた。「おい、チビ助はそんなにぎゅうぎゅうしてんのか?」「そ、そう、ですね……」 オレの返答を聞き今度は、室長も怒る。「全く……アホチビが。しょうのねえやつだ」「ほんとよねえ。もう、あの子ったら」 阿久津先生がオレを見る。「ねぇ昴君、君からも説得してみてくれないかしら? あと、穂積さんからも。特に昴君、キミが一番困るんじゃないの? 彼女の綺麗な胸、守らないと、ねぇ?」 阿久津先生はからかい気味ではあるが、どこかからりとした口調でそう言うと、いたずらっ子のように笑いウィンクした。
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